yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『武満徹全集4映画音楽2』なんとCD11枚セット。この音の河に身をゆだね身を晒す快感。これはすばらしい体験であること間違いない。

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Takemitsu Soundtrack Documentary (4 of 6)

            

不真面目なことではあるけれど、CD11枚がセットとなっている『武満徹全集4映画音楽2』をナガラで、つまりはバックグラウンドミュージックとして一応!聴きとおした。イヤー凄いものです。図書館のネット借受を利用して手にしたは良いけれど、内容明細など知らずに予約、その結果が分冊ではなく一度に11枚の借り受けであることに最寄の図書館カウンターでの受け渡しのときに判明、おまけに詳細な添付書物(約350ページ)付であった。散逸防止のためなのかどうか、これには驚いた。えっ!と、その場で言葉を飲み込んだものだった。ところで、単純計算で1枚あたり60分として660分、11時間だ。これをわずか!11時間にすぎぬとすべきなのかどうか、私には分からないが。

イメージ 2【第4巻 東京戦争戦後秘話(1970・大島渚) , 儀式(1971・大島渚) , いのち・ぼうにふろう(1971・小林正樹) , 甦える大地 (1971・中村登), サマー・ソルジャー(1972・勅使河原宏) , 夏の妹(1972・大島渚) , 青幻記-遠い日の母は美しく(1973・成島東一郎) , 化石の森(1973・篠田正浩) , 桜の森の満開の下(1975・篠田正浩) , 化石(1975・小林正樹) , 錆びた炎(1977・貞永方久) , 愛の亡霊(1978・大島渚) , 燃える秋(1978・小林正樹) , 火宅(人形アニメーション)(1979・川本喜八郎) , 天平の甍(1980・熊井啓) , 蓮如とその母(人形アニメーション)(1981・川本喜八郎) , 東京裁判(記録映画)(1983・小林正樹) , アントニー・ガウディー(記録映画)(1984・勅使河原宏) , 食卓のない家(1985・小林正樹) , 火まつり(1985・柳町光男) , 鑓の権三(1986・篠田正浩) , ヒロシマという名の少年(1987・菅田良哉) , 黒い雨(1989・今村昌平), 豪姫(1992・勅使河原宏) , 夢窓-庭との語らい(記録映画)(1992・ジャン・ユンカーマン) , ライジング・サン(1993・フィリップ・カウフマン)、嵐が丘(1988・吉田喜重)、気・BREATHING(1980・松本俊夫)、しあわせ(1974・恩地日出夫)、写楽(1995・篠田正浩)、沈黙(1971・篠田正浩)、どですかでん(1970・黒澤明)、はなれ瞽女おりん(1977・篠田正浩)、卑弥呼(1974・篠田正浩)、水俣の図・物語(1981・土本典昭)、予言(1982・羽仁進)、乱(1985・黒澤明)、利休(1989・勅使河原宏)】

これらの劇伴音楽が切れ目なく?、邦楽器、洋楽器、多彩な民族楽器、音響創作楽器、電子音等々あらゆる素材、様式、手法を駆使して音の海を形作る。劇伴ゆえか統一したテーマ展開はなく、個々の細切れな音の断片がつくり出す滔々と流れてゆく音の河。まさしく

     音は私をつらぬいて世界に輪のようにつづいている。
                       (武満徹
まさに劇場音楽にふさわしいダイナミックレンジ。まるでスピーカーが踊り揺れているのではと思わすほどの凄い地響きのする重低音、音圧。
これは何の映画のもの、何の音楽かなどといった確認詮索など一切不要とする、この音の河に身をゆだね身を晒す快感。ひたすら音に聴き入る、これはすばらしい体験であること間違いない。

イメージ 3無名時代の若き日(実験工房時代)より親交あった湯浅譲二は、『谷川俊太郎が聞く 武満徹の素顔』のなかで、純音楽より≪映画音楽のほうが、ずっと前衛的≫でその才が具現されていると讃していた・・・。
まさに、まさに。

             写真:若き武満徹湯浅譲二




Seppuku 切腹 (1962) (Harakiri) (with Hungarian and English subtitles) Full Movie:Director: Masaki Kobayashi,Writers: Shinobu Hashimoto (screenplay), Yasuhiko Takiguchi (novel), Music: Toru Takemitsu