yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『台湾先住民の音楽』。ほとんどが楽器伴奏無しのアカペラ。この飾ることのないシンプルさがなんとも味わい深く、懐かしく?沁みてくる。

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Bunun Men's Choir: Posibutbut (the holy song of Taiwan aborigional people Bunun)

            

つい先日の新聞で【<日本人のルーツは東南アジア? 研究グループがゲノム解析>(2009.12.11)
 アジアの諸民族の遺伝学的な系統関係が、日本などアジア10カ国の研究者による国際共同研究で明らかになった。言語や文化の異なる73集団(約1900人)を対象に、ゲノム(全遺伝情報)の個人差を詳細に解析した成果で、11日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。日本、韓国など東アジア人の祖イメージ 2先は、数万年前に東南アジアから移住した可能性が高いという。・・・】なる記事が目にとまった。
ま、直感的には誰しもが思っていることを、科学的データをもとに明証?したにすぎないといえばそうなのだけれど。表象としてのことば(音韻)や顔つき、とりわけ伝承伝統音楽などを聴けば東南アジアとの近縁性はおおいに感じることだろう。(国語学者大野晋の唱えているタミール語起源説というのもありますし)拙ブログでも民族音楽を投稿した折り貼り付けた動画音源に何とはなしの懐かしささえ感じさせるものがあったことを思えばさらにその感つよくする。べつに、こうした記事が引き鉄となったわけではないけれど、たまたま、バーゲンで民族音楽のCDを数枚安く手にすることが出来たので、そのうちの一枚の投稿となった。手にしたのはワールドルーツミュージックライブラリ・シリーズの一枚『台湾先住民の音楽』。その帯には「東南アジアと深い繋がりがあり、多くは山間部に居住し伝統的な音楽文化をもつ台湾の先住民族。その中から10の民族に取材した貴重な録音。認定外も入れれば20を超す台湾の先住民族ですが、その音楽文化も実に様々。ポリフォニーのブヌン、アミ、コール&レスポンスがヤミ、斉唱はプユマなど、個々に聴いても飽きない魅力を持っています。雲南や貴州などの民族と共通するものもあり、併せて聴けば面白さは倍加。このアルバムでは10の民族の歌を収録。1973年現地録音」とある。わが民族音楽学者の小泉文夫の録音による音源で構成されているとある。長きにわたる時代を積みかさねた生活が、目の前の其処にあるといった風情の歌声。ほとんどが楽器伴奏無しのアカペラ。この飾ることのないシンプルさがなんとも味わい深く沁みてくる。そう、原郷としての人間というものが愛おしく沁みてくる心持だ。台湾先住民(インドネシア語族)・首狩族の見事なポリフォニックな合唱(なぜ首狩族に繊細なポリフォーニックな歌唱がもたらされたのか等々は小泉文夫著書を読むこととして、此処では割愛しよう。よくハモることのない日は戦いを控えるそうだ。)・・・。(わが現在でも、リストラを、首を切るとも言う。また時代を遡ればさらし首という刑罰もあった。これは何を意味するか、首狩習俗のありやなしや。)

パイワン族PAIWANS
 1 牛飼をからかう歌 bantering song on a cowherd(屏東県
 2 結婚式の歌 wedding song(屏東県
 3 求愛の歌 song of courtship(屏東県
 4 結婚式・粟祭りの歌 song of the millet festival at a wedding ceremony(北葉)
 5 パリシィ (まじないの歌)parisi(台東県卑南郡新園村)
ルカイ族 (霧台)RUKAIS
 6 結婚式の歌
 7 出草の歌 (首祭りの歌):1)私は槍で二人を殺した 2)私はひとりの女を番刀で切った 3)若い  時に五つの首を持って帰った 4)私が人を刺したら棒が折れた 5)後から刺された者は男ではない  6)男は必ず人間を殺さないと恥しい
 8 哭き歌
 9 男女交歓の歌 (大南村)
ヤミ族 (蘭嶼)YAMIS
 10 ミカリャグ「ジパプトクから生まれた男」
プユマ族 (知本村)PUYUMAS
 11 客を歓迎する歌「ハイヤンノーエ」
 12 凱旋の歌 (首を首棚に飾り踊る歌)
■ツォー族 (達邦)TSOUS
 13 粟祭りの歌「トーレイソ」
 14 神を迎える歌「エホイ」
アミ族 (馬蘭)AMIS
 15 収穫祭の老人の歌
 16 酒呑みの歌
 17 スラトックの演奏
■サウ族 (日月潭)SAUS
 18 新年の歌
 19 子守唄
ブヌン族 (羅娜)VUNUNS
 20 マリシタパン~マピナスカル・マバナナル
 21 狩の歌 (首刈りの歌)
 22 ハウン・ハウン 二重奏
■セデック族 (互助)SZEDWKS
 23 トゥブ・セパッツ独奏
 24 よろこびの歌 (踊りの歌)
■サイシヤット族 (大隘)SAISYATS
 25 畑仕事の歌
 26 酒呑み歌
 27 首刈祭りの歌



Euis Komariah with Jugala Orchestra - "Bardin"(インドネシア