Phil Wachsmannトリオ『SPARKS OF THE DESIRE MAGNETO』(1977)。結構面白いパフォーマンスをしているのに、手にした当時それほど強い印象を持たなかったのだろうか
Phil Wachsmann
よく聴いてみると、この、ミュージシャンの設立運営する自主レーベルBeadの音源は結構おもしろい。かたやの創設者デレク・ベイリーの名とともにイギリス・フリーを象徴するインカスINCUSレーベルばかりに目が向いていて、フリーインプロヴィゼーション最沸騰期70年代に既にスタートしていたこのBeadレーベルに参集するミュージシャンたちには、真面目に向き合っていなかったようなのだ。このレーベルの設立運営者と思しきPhil Wachsmann (1944-)は、関心を抱いていた音楽家にアントン・ウェーベルンWebern, ハリー・パーチPartch, チャールズ・アイヴズIves, ルチャーノ・ベリオBerio ,Varèse の名をあげており、またジョン・ケージCage, コーネリアス・カーデューCardew, モートン・フェルドマンFeldman, ロバート・アシュレイAshley たちの作品演奏をおこなっていたそうだ。そのようなことから察するに現代音楽への志向性が根っこにはありそうだ。きょうの取り上げるアルバム『SPARKS OF THE DESIRE MAGNETO』(1977)のパフォーマンスも明らかにそうした趣をもつ即興演奏だ。また、デュシャンの大ガラス作品「The bride stripped bare by her batchelors, even. (彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも)」の作品ノートから曲タイトルが付けられているとあるのも、なにやら気がそそられるところがある。それにしても、聴きなおしての、今になっての認知の到来をどう了解したものだろう。けっこうおもしろいパフォーマンスをしているのに、手にした当時それほどつよい印象を持たなかったのだろうか。これを含め幾枚か所蔵していることから、それなりの好印象をもって蒐集していたと思うのだが・・・。聴きなおしてみて得した気分にさせてくれた一枚だった。それにしてもこの70年代のイギリス(Beadレーベルもイギリス)はフリーで沸騰していたようだ。
よく聴いてみると、この、ミュージシャンの設立運営する自主レーベルBeadの音源は結構おもしろい。かたやの創設者デレク・ベイリーの名とともにイギリス・フリーを象徴するインカスINCUSレーベルばかりに目が向いていて、フリーインプロヴィゼーション最沸騰期70年代に既にスタートしていたこのBeadレーベルに参集するミュージシャンたちには、真面目に向き合っていなかったようなのだ。このレーベルの設立運営者と思しきPhil Wachsmann (1944-)は、関心を抱いていた音楽家にアントン・ウェーベルンWebern, ハリー・パーチPartch, チャールズ・アイヴズIves, ルチャーノ・ベリオBerio ,Varèse の名をあげており、またジョン・ケージCage, コーネリアス・カーデューCardew, モートン・フェルドマンFeldman, ロバート・アシュレイAshley たちの作品演奏をおこなっていたそうだ。そのようなことから察するに現代音楽への志向性が根っこにはありそうだ。きょうの取り上げるアルバム『SPARKS OF THE DESIRE MAGNETO』(1977)のパフォーマンスも明らかにそうした趣をもつ即興演奏だ。また、デュシャンの大ガラス作品「The bride stripped bare by her batchelors, even. (彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも)」の作品ノートから曲タイトルが付けられているとあるのも、なにやら気がそそられるところがある。それにしても、聴きなおしての、今になっての認知の到来をどう了解したものだろう。けっこうおもしろいパフォーマンスをしているのに、手にした当時それほどつよい印象を持たなかったのだろうか。これを含め幾枚か所蔵していることから、それなりの好印象をもって蒐集していたと思うのだが・・・。聴きなおしてみて得した気分にさせてくれた一枚だった。それにしてもこの70年代のイギリス(Beadレーベルもイギリス)はフリーで沸騰していたようだ。
デュシャンと大ガラス作品→
Phil Wachsmann、関連投稿――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61013448.html <冷厳の美>『BALANCE』(1973)。ここにもイギリスの「冷え寂び」あり・・・。アントン・ウェーベルンのフリージャズ・ヴァージョン。
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61013448.html <冷厳の美>『BALANCE』(1973)。ここにもイギリスの「冷え寂び」あり・・・。アントン・ウェーベルンのフリージャズ・ヴァージョン。
http://www.beadrecordssp.com/1%20P%20Wachsmann%20website.html Philipp Wachsmannオフィシャルサイト
Richard Beswick / Philipp Wachsmann / Tony Wren 『SPARKS OF THE DESIRE MAGNETO』(Bead 7・1977)
Richard Beswick, oboe, guitar, voice
Phil Wachsmann, violin, electronics, +
Tony Wren, double bass.
The sparks of the desire magneto are being inseminated into different vessels (23.40), Corpuscular progress (08.30)
Bellevue (03.50)
From the container, upwards (09.37).
Phil Wachsmann, violin, electronics, +
Tony Wren, double bass.
Bellevue (03.50)
From the container, upwards (09.37).
Track 1 recorded at City Literary Institute Performance Studio, London on 26 January 1977; track 2 at Bimhuis Amsterdam on 15 April 1977 and track 2 and 3 at Sunship Jazz Bunker, Rotterdam on 16 April 1977.
'This collection appropriately takes its title from Marcel Duchamp's notes The bride stripped bare by her batchelors, even.
http://www.efi.group.shef.ac.uk/labels/bead/cbead.html Bead Records: list of recordings