バルトーク『弦楽四重奏曲 第1番&第2番』。その柔軟性を緊張感ともども併せ持って聴くことが出来る。とげとげしさに苛立つことなく精神のバランスのうちに優れたロマン性が感じられて私は好きである。
Bartók, String Quartet No. 1, I. Lento
さすがに、4日続けての宗教曲の投稿は、それもすべて大作とくると気力がもたない。で、きょうは、何の脈絡もなく、要するに気まぐれのピックアップ。バルトーク(Bartók Béla Viktor János, 1881 - 1945)の『弦楽四重奏曲 第1番&第2番』。ほぼ3年近く前に≪民俗音楽・語法からの不況和音の強烈放鳴が不羈なる精神性を強く感じさせるバルトーク『弦楽四重奏曲・3番・4番』。≫とタイトルして投稿している。たぶん全6曲の弦楽四重奏曲(ベートーヴェンのそれに比肩されるほどの音楽史的傑作なのだそうだ)の中でいちばん印象深く聴いたのをいっとう最初に取り上げたのだろう。いま聴き直してもその印象は変わらないと思うけれど、意外に?きょう取り上げる「第1番&第2番」は古典的な様式であるけれどいいのだ。良質な音楽感性が清新ストレートに出されているということにおいて・・・。よく言われる民族音楽研究の精華の作品群というのが、どうも私にはしっくりこないのだ。なんだか病的でヒステリックな精神のさまを聴かされるようであまり好みではないのだ。そんななか、とりわけこの「第1番」は十全な精神状態で、その柔軟性を緊張感ともども併せ持って聴くことが出来る。とげとげしさに苛立つことなく精神のバランスのうちに優れたロマン性が感じられて私は好きである。