yuki-midorinomoriの日記

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オスカル・メリカント『夏の夜・ピアノ名曲集』(ピアノ:舘野泉)。う~ん、この哀感湛えた甘美な調べ。まったくの、旋律美に長けた曲の数々。愛すべきピアノ小品集。

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舘野泉 Izumi Tateno, メリカント Merikanto / 牧歌 idyll

            

イメージ 2ん、メリカント?誰だそりゃ。フィンランドの作曲家で、かの国民的作曲家ジャン・シベリウスと同時代を生き、その偉大な音楽史的作曲家シベリウスに劣らずの、いや凌ぐほどの大衆的人気を得て愛されていた作曲家だそうだ。初めて知りました。そもそものきっかけは動画サイトYOUTUBEで、同国の現代音楽作曲家エイノユハニ・ラウタヴァーラ(Einojuhani Rautavaara 1928 - )をたまたま聴く機会を得、これは聴くに値すると、さっそくネット図書館で検索したものの、辛うじて寄せ集め総花的なオムニバスアルバム一枚が所蔵されていたのみだった。そのアルバム中にあったのがオスカル・メリカント(Oskar Merikanto, 1868 - 1924)の名だった。で、これもネットにて検索して、冒頭のような評価のあることを知ったのだった。在世中ではシベリウスよりも国民的な大衆人気を勝ち得ていたとは・・・、これは聞き捨てならぬと早速ネット図書館にてタイミングよく借受でき、鑑賞となった次第。う~ん、この哀感湛えた甘美な調べ。まったくの、旋律美に長けた曲の数々。愛すべきピアノ小品集と言ったところか。作曲家自身は同時代のシベリウスに対しては≪別世界の人と賛嘆して≫(舘野泉)いたそうだ。構成的な大きな作品を志向するのではなく、愛すべき、歌と旋律の中で作曲することを自己限定としていた賢明の作曲家なのだろう。以下は検索中遭遇したネット氏よりの引用です。

【技巧的な曲は全くない。どの曲も強烈な個性を発揮するものではないが、聴けば聴くほど心にしみてくる愛らしいものばかりだ。全ての曲に共通する穏やかさは、作曲者自身の人柄がにじんだものなのだろう。長調の曲は柔らかい羽毛の肌触りのようだし、短調の曲はささやかな感傷に浸っているような情感にあふれている。そしてどの曲も喜びの中にわずかな感傷が、感傷の中にそこはかとない喜びが微妙に交錯している。メリカントの音楽は、今日でいえばポピュラー音楽とクラシック音楽の中間に位置するようなものであり、それだけに誰にもすぐに馴染むことができる美しい旋律で綴られたアルバムとなっている。】





オスカル・メリカント『夏の夜・ピアノ名曲集』(ピアノ:舘野泉

1.牧歌Op73-1 Idylli, Op.72/1
2.アルバムのページOp3 Albuminlehtia, Op.3
3.スケルツォOp6-4 Scherzo, Op.6/4
4.歌Op92-1 Laulu,Op92/1
5.ゆるやかなワルツ Valse Lente
6.梢の高みにてOp26 Ma oskalla ylimmalla, Op.26
7.ロマンスOp12 Romanssi, Op.12
8.無言歌Op37-2 Sanaton laulu, Op.37/2
9.夏の夜の牧歌Op16-2 Kesaillan idylli, Op.16/2
10.ショパン風のワルツOp6-5 Valse a la Chopin, Op.6/5
11.即興Op76-3 Improvisation, Op.76/3
12.夏の夜のワルツOp1 Kesailta, valssi, Op.1



Valse Lente, Op.33 ~ Oskar Merikanto