yuki-midorinomoriの日記

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ヘンリク・ミコワイ・グレツキ『クライネス・レクイエム』。ポーランド楽派は深い。歴史ゆえか?

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H. M. Górecki - Concerto for Harpsichord and String Orchestra, Op. 40 (1981)

           

アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に象徴されるナチスの人類史的愚行で、ポーランドはその傷痕の深さを記憶されているといえるだろう。音楽に限ってみてもそうだ。いや、そのように私たちは、思い入れて聴いてしまうのだということなのかもしれない。拙ブログの最近の投稿傾向がレクイエム、ミサ曲などと宗教曲づいていることもあって、ネット図書館でたまたまヒットしたポーランドの現代音楽作曲家ヘンリク・ミコワイ・グレツキ(Henryk Mikołaj Górecki,1933- )の『クライネス・レクイエム Kleines Requiem』を借り受けた。現代音楽の項目の検索では見当たらなかったのに、宗教曲「レクイエム」で現代音楽の作品にヒットするとは・・・。
グレツキの名を一躍世に知らしめたのは、言うまでもなく副題を「嘆きと悲しみの交響曲」とする「交響曲第3番」の抑制された怒りと哀切の支配する音楽だった。それを3年有余前の拙ブログに≪哀しみと怒りと悲痛を静穏に歌い、荘重な弦の響きに祈るヘンリック・グレツキ『交響曲第3番』(1976)。≫とタイトルして投稿している。≪なみいるロックやポップを抑えて英ヒットチャートの6位を記録・・・≫するほどの感銘の作品を放った宗教的沈思、スピリッツをつよく感じさせるヘンリック・グレツキの作品集。
今回はじめて知ったのだけれど、ホーリー・ミニマリスム(Holy minimalism, mystic minimalism, spiritual minimalism, or sacred minimalism)なることばがあるのをはじめて知った。たしかにここでもパターン音形の繰り返し反復をベースとして特徴的に印象深く作曲されている時代潮流(アルヴォ・ペルトなど)をつよく感じることだろう。旋律回帰と反復・・・。




ヘンリク・ミコワイ・グレツキ Henryk Mikołaj Górecki『クライネス・レクイエム Kleines Requiem』

1. クライネス・レクイエム~あるポルカのために
Kleines Requiem f r eine Polka, Op. 66: I: Tranquillo (1993)
2. Kleines Requiem f r eine Polka, Op. 66: II: Allegro impetuoso--marcatissimo
3. Kleines Requiem f r eine Polka, Op. 66: III: Allegro--deciso assai
4. Kleines Requiem f r eine Polka, Op. 66: IV: Adagio cantabile

5. チェンバロと弦楽のための協奏曲
Concerto for Harpsichord and String Orchestra, Op. 40: I: Allegro molto (1980)
6. Concerto for Harpsichord and String Orchestra, Op. 40: II: Vivace

7. グッド・ナイト「マイケル・ヴァイナーの追悼のために」
Good Night (In Memoriam Michael Vyner), Op. 63: I: Lento (adagio)--tranquillo (1990)
8. Good Night (In Memoriam Michael Vyner), Op. 63: II: Lento tranquillissimo
9. Good Night (In Memoriam Michael Vyner), Op. 63: III: Lento--largo: docissimo--catabillissimo