yuki-midorinomoriの日記

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バルトーク 『弦楽四重奏曲第5番、第6番』。3-4番から、1-2番、そしてきょうの5-6番。この順序が私の選好といえる。

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Bartók String Quartet No. 6 last movt (Takács)

           

バルトーク(1881 - 1945)が作曲した全6曲の弦楽四重奏曲のうち、先ずは「3番、4番」を投稿し、次に「1番、2番」という順序で取り上げた。弦楽四重奏曲第1番 Op.7 」は習作期を脱してのちの1908年-1909年作。「弦楽四重奏曲第2番 Op.17」は1915年-1917年作と 第一次世界大戦最中の作曲。そして民俗音楽研究の成果と革新の無調動向との出会いが結実精華した1927年作曲の「弦楽四重奏曲第3番」 と1928年の「弦楽四重奏曲第4番」。さらに、1934年作曲「弦楽四重奏曲第5番」と、戦禍逃れてのアメリカ移住直前の1939年に作曲された 、その全楽章が≪メスト(悲しげに)≫のトーンでつらぬかれている「弦楽四重奏曲第6番」と、およそ30年の刻苦(現実生活ともども)の音楽変遷を示していると言えるのだろう。こうした全6曲ではあるけれど、私の取り上げた順序は先の、3-4番から、1-2番、そしてきょうの5-6番となった。これはもちろん言うまでもなくわたしの選好のなせる順序ではあるのだけれど・・・。創作精神の最も緊張したなかでの「3番、4番」が私の中では選好最上位であり、音楽精神の瑞々しさ、清新の意気でもって「1番、2番」であり、そして、これが成熟とすればいかがなものかと思わせないでもない「5番、6番」というわけだ。これらのことは≪「それまでよりも大衆受けする方向へ変化した」≫と言われているらしいアメリカ移住、つまりは創作後期の世評人気、評価を得ている諸作品等(ただし、傑作「無伴奏ヴァイオリンソナタ」(1944)は除こう)と同様の私の気まぐれ評断といえようか。




バルトーク・ベーラ Bartók Béla 『弦楽四重奏曲第5番、6番』