yuki-midorinomoriの日記

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ヘンリー・パーセル 『室内楽曲集』。愁いと純でストレートな旋律の美しさは、まさしくヘンリー・パーセル。

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Purcell - Pavan in G Minor Z751

            

≪不運ニモ、国王陛下ノ王室礼拝堂おるがん奏者へんりー・ぱーせる氏ハ夭折ノタメ、自ラノ手デコレラノれっすんヲ仕上ゲル時ヲ持タナカッタ。以後殆ド三世紀ニワタリ、ソレラワカレノ熱ニウカサレタ最後ノ夢ノ中ニ、未完ノママ留マッタカニ見エタ。今日初メテ、我等ハコレラノ曲目ヲ聴クノヨロコビヲ持ツ。遥カナル東方ヨリ無名者ノ手ニヨリモタラサレタルハ、大英帝国ノ最モ優レタ楽人ノ一人ニカカル永ク秘メラレタ至宝ナラザルベカラズ。≫(高橋悠治

これは、高橋悠治の74年に出された『パーセル最後の曲集』(1974)というタイトルのレコードジャケットに記されていたパーセル讃のことば。拙ブログには略ぼ2年半前に≪高橋悠治の『パーセル最後の曲集』(1974)。時を隔てた彼方よりの郷愁的な呼びかけの響き、静やかな愁いと魂鎮めのパフォーマンス。≫≪現代音楽のフィルターを通しての尊崇敬愛のヘンリー・パーセル≫と寸評して投稿している。そのとき以来といっていいのだろう、イギリスのバロック作曲家、数多くの名作を残し36才という若さで(その当時の平均余命ってどれぐらいだったのだろう?)駆け抜けるように世を去った≪イタリアやフランスの影響を受けつつ、独自の音楽を生み出した、もっとも優秀なイギリス人の作曲家の1人≫(WIKI)ヘンリー・パーセル(Henry Purcell、1659?-1695)の名が私の音楽鑑賞史に明瞭に記憶されたのは。
<憂愁、愁い>、この情感、醸すそうした曲趣に我がココロは嵌まったと言っていい。けれど、パーセルの2稿目では≪ヘンリー・パーセルの英国音楽史の一つの記念碑『ファンタジア集・ヴィオラ・ダ・ガンバのための』。いささか渋い、似たような音域、音色のヴィオラばかり(ヴァイオル・コンソート)での弦楽合奏。≫と記してしまった。たぶんそれは古楽器による幾分地味な音色、音域のパフォーマンスゆえであったのかもしれないが。ネット図書館で借り受けた、きょう取り上げるヘンリー・パーセルの『室内楽曲集 Chamber Music』も同じく古楽器による演奏で、やはり、広がりと奥行き、メリハリにはいささかモヤモヤはあるものの、愁いと純でストレートな旋律の美しさは、まさしくヘンリー・パーセルだったと言っておこうか。




ヘンリー・パーセル Henry Purcell 『室内楽曲集 Chamber Music』

1. グラウンド上の3声部ニ長調 3 Parts On A Ground in D, Z.731
2. ソナタ第6番ト短調 Son No.6 in g, Z.807
3. 3つのヴァイオリンのためのパヴァーヌト短調 Pavan A 4 in g, Z.752
4. 4声のシャコンヌト短調 Chacony A in g, Z.730
5.3声のパヴァーヌ変ロ長調 Pavan A 3 in B flat, Z.750
6. 3声のパヴァーヌト短調 Pavan A 3 in g, Z.751
7. 3声のパヴァーヌイ短調 Pavan A 3 in a, Z.749
8. 3声のパヴァーヌイ短調 Pavan A 3 in A, Z.748
9. ソナタ第7番ホ短調 Son No.7 in e, Z.796: Adagio
10. Son No.7 in e, Z.796: Canzona
11. Son No.7 in e, Z.796: Largo
12. Son No.7 in e, Z.796: Grave
13. Son No.7 in e, Z.796: Vivace
14. ソナタ第12番ニ長調 Son No.12 in D, Z.801: Adagio
15. Son No.12 in D, Z.801: Canzona
16. Son No.12 in D, Z.801: Poco Largo
17. Son No.12 in D, Z.801: Grave
18. Son No.12 in D, Z.801: Presto
19. Son No.12 in D, Z.801: Allegro
20. 4声の序曲ニ短調 Ov A 4 in d, Z.771
21. 4声の序曲ト長調 Ov A 4 in G, Z.336
22. 5声の序曲ト短調 Ov A 5 in g, Z.772
23. 4声の組曲ト長調 序曲Ste A 4 in G, Z.770: Ov
24. Ste A 4 in G, Z.770: Sarabande
25. Ste A 4 in G, Z.770: Bourree
26. Ste A 4 in G, Z.770: Minuet
27. Ste A 4 in G, Z.770: Jig


Chaconne in G - H Purcell, Arr. Britten