ヨハネス・ブラームス、ロベルト・シューマン『チェロソナタ第1、第2ほか』。あたかも名文に酔うといった風情。これが音楽するということなんです・・・と云ったところか。
だいぶ前、ラジオから流れていたシューマンのチェロ曲(かの有名なチェロ協奏曲ではありません)が印象深く、勝手にチェロソナタと思い込み、ネット図書館で検索、それらしきを予約した。けれど手にしたアルバムのそれはシューマンのそれではなく、ブラームスのソナタの分類間違いだった。WIKIを覗いてもシューマンにはヴァイオリン・ソナタはあっても、チェロ・ソナタなぞなく、あるのは「民謡風の5つの小品op.102」や以前投稿した中にあった「ピアノとチェロのための幻想小曲集」などだけだった。いまさら遡って確かめるという根気も失せてしまった・・・。それはそれとして、借り受けたアルバムにはブラームスの生涯全2曲のチェロ・ソナタが収録されており、今までじっくりと聴いてこなかった作品なので、折角だと耳傾けた。複層して絡み紡ぎだされるこの華麗。ブラームス作品は演奏が難しい(ジョウズヘタが隠しおおせることなくモロに出てくるのだそうで)と聞いておりますが、それだけに上手の手に掛かるとその良さが倍加し、あたかも名文に酔うといった風情だ。まさしく、これが音楽するということなんです・・・と云ったところか。ところで、このアルバムでは、チェロもピアノも歴史的な名器が使用されているのだそうだけれど・・・。その良さ?・・・私には分からなかったといっておこうか。