yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

スティーヴ・レイシー 『The Wire』(1977)。わが感性に了解、フィットする余情の世界を最高度に融和的にコレクティヴ・パフォーマンスしており見事。70年代中期のピークをなす一枚。

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Steve Lacy Sextet - The Wire (1975)

              

【S・レイシーは75年6月の来日時に、全部で7回のコンサートを行い、4枚分のレコーディングを行った。その4枚分のレコーディングの内3枚は既に発売され、残る最後がSextet編成によるこの「The Wire」である。既に発表された3枚のレコードとはちなみにS・レイシー(ss)、吉沢元治(b)、富樫雅彦perc)のトリオによる「Stalks」(日本コロンビア)とS・レイシー(ss、その他)、高橋悠治(Keyboards)、小杉武久(vn、その他)、の3人による「Distant Voices」(日本コロンビア)、それにソロ・コンサートのライヴである「ソロ・アット・マンダラ」(ALM)の3枚である。それぞれに高度な音楽性をもった傑作ばかりである。3枚ともレイシーの音楽局面をそれぞれ見事にとらえたレコードであり、重要なアルバムと言える。・・・・・・断言できるささやかな事がもうひとつある。今までにあまたあるミュージシャンが来日して、様々の日本のミュージシャンとレコーディング・セッションを行い、レコードを残したが、その中でもこの「THE WIRE」こそ真に創造的な最高のセッションだと言えるだろうということである。】(解説「THE WIREとレイシーの音楽の軌跡をめぐって」間章・AIDA AQUIRAX)

斯く最高の賛辞を贈っている。このスティーヴ・レイシーへの、解説者・間章・AIDA AQUIRAX評論家としての特別の思い入れ、および来日コンサート等をコーディネートしたことなどを抜きにしても、すばらしいパフォーマンスの詰まったアルバムであることを認めよう。ゲスト?のスティーヴ・レイシー以外はすべて日本の名だたるジャズプレイヤーということもあってか、わが感性に了解、フィットする余情の世界を最高度に融和的にコレクティヴ・パフォーマンスしており見事なものだ。この70年代中期のピークをなすフリーフォーム・ジャズの一枚と言えるだろう。




スティーヴ・レイシー、75年来日時残したアルバム関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59005881.html スティーヴ・レイシー、富樫、吉沢トリオによる『STALKS(茎)』 (1975)。「『自制は(人間を支える)骨格である』と言う老子の言葉に触発されたもので・・・」スティーヴ・レイシー・ノートより。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/33383698.html 小杉武久スティーヴ・レイシー高橋悠治のフリーパフォーマンス 『DISTANT VOICES』 (1975)



スティーヴ・レイシー Steve Lacy Sextet 『The Wire』(1977)

Tracklist:
A1. The Twain 6:31
A2. Esteem 8:40
A3. The Owl 4:17
Drums, Percussion - Masahiko Togashi

B1. The Wire 4:58
B2. Cloudy 6:12
B3. Dead Line 8:06

Credits:
Saxophone [Soprano], Written-by - Steve Lacy
Percussion - 富樫雅彦 Togashi Masahiko
Piano – 佐藤允彦Masahiko Sato (tracks: A1, A2, B1-3)
Bass – 吉沢元治 Motoharu Yoshizawa (tracks: A1, A2, B1-3)
Bass –池田芳夫 Yoshio Ikeda (tracks: A1, A2, B1-3)
Cello, Bass - 翠川敬基 Keiki Midorikawa (tracks: A1, A2, B1-3)
Artwork By [Collage] - Toshihiko Shimizu
Artwork By [Design] - Satoshi Saitoh
Engineer - Kaoru Iida
Other [Artist Co-ordination] - Aquirax Aida
Producer - Tsutomu Ueno

Notes:
Recorded June 18, 1975 at Nippon Columbia Studio, Tokyo.