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橋本國彦『舞~橋本國彦歌曲集』。戦時下のモダニスト!?ね~。

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橋本国彦 「舞」 齊藤 恵 Megumi SAITO "MAI"

           
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戦後生まれの団塊世代の学生にとっても、未だ政治、文学思想に、戦争協力、翼賛思想転向などの知識人論争が影を落としていた。戦後民主主義体制、思想の新たな構築、反体制運動などと喧しい学生時代、政治の季節だった。今日取り上げる作曲家・橋本 國彦(はしもと くにひこ、1904 - 1949)は学識豊かで才能あふれた戦前のモダニストでありつつも、戦時下戦意高揚のための音楽活動に加担したとして、その社会的制裁評価で貶められたひとりだった。

【・・・帰国途中に寄ったロサンゼルスではアルノルト・シェーンベルクに師事するなど、積極的に新しい音楽を学んだ。帰国後は日本洋楽界きってのモダニストとして、作曲家・編曲家として活躍。教師としても優れており、1933年(昭和8年)母校の教授に就任。門下に矢代秋雄を筆頭に、芥川也寸志團伊玖磨黛敏郎らがいる。1940年代前半には、『学徒進軍歌』『勝ち抜く僕等少国民』などの軍国歌謡や、皇紀2600年奉祝曲の「交響曲第1番ニ調」を作曲した。また十二音技法による創作を試みたりした。
戦後は戦時下の行動の責任を取って母校を辞し、『朝はどこから』などの歌謡曲や、戦火に倒れた人々を追悼するために独唱と管弦楽のための『三つの和讃』、日本国憲法の公布を祝う「交響曲第2番」などを発表した。・・・】(WIKI)

斯くなる事情もあり久しく封印されてきた作曲家・橋本國彦の歌曲を収めたアルバムがネット図書館で所蔵されていたので借り受け鑑賞した。




橋本國彦『舞~橋本國彦歌曲集』

1. なやましき晩夏の日に
2. 牡丹
3. 薊の花
4. お菓子と娘
5. 黴
6. 斑猫
7. 舞
8. 富士山見たら
9. 旅役者
10. 百姓唄
11. 親芋小芋
12. 田植唄
13. スキーの歌
14. 母の歌
15. 国民協和の歌
16. 勝ちぬく僕等少国民
17. かたみの手風琴
18. 朝はどこから
19. 乙女雲
20. アカシアの花



橋本國彦関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/53439720.html 信時 潔:交声曲「海道東征」(1940)、橋本國彦交声曲「皇太子殿下御生誕奉祝歌」(1934)。戦意高揚、軍歌まがい、民族臭芬々の音たちからはもの哀しさがともにやって来る。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56295004.htmlロームミュージックファンデーション~日本SP名盤復刻選集3≫の一枚。一言、せつなくもの悲しい。この<時>の隔たりをどう受けとめたらいいのだろう。たかだか60数年前の音響(作品)なのだ。


朝はどこから 島田祐子