yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

林光「交響曲ト調」(1953)、入野義朗「小管弦楽のためのシンフォニエッタ」(1953)ほか。いまだ、戦争の傷跡残る時代のもので、日本の復興期、戦後解き放たれた音楽精神の結実といったところなのだろう。

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林光 / 少年 (dir. 大島渚 1969)

               
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ネット図書館の検索で、ひさしぶりに「現代音楽」と文字を打ち込んでみた。で、ヒットしたのが、今日取り上げる『林 光:交響曲ト調、他 本名徹次&オーケストラ・ニッポニカ』。つい直近まで所蔵されてなかったはず。ネットで調べると≪EXTONより邦人作曲家シリーズ第一弾登場!邦人楽曲専門集団オーケストラ・ニッポニカとEXTONの夢のコラボレーション!≫とあった。初耳でした(音楽関係の雑誌等は一切読まないもので・・・。ポリシーあってのことではなく、たんにカネがもったいないというケチな理由からです)。収録されている3作品すべて1953年に初演された曲のよし。いまだ、戦争の傷跡残る時代のもので、日本の復興期、戦後解き放たれた音楽精神の結実といったところなのだろう。ちなみに≪当時の音楽評論家の山根銀二に「音楽以前である」と酷評され、映画館の暗闇の中で泣いていたという。≫(WIKI)エピソードをもつことで有名な武満徹処女作のピアノ曲2つのレント」の初演は1950年。そして、その名を世に知らしめることとなった、かの実質的なデビュー作、「弦楽のためのレクイエム」の初演は1957年だ。さて、かの武満徹が尊敬する作曲家のひとりとその名をあげていた林光(はやし ひかる、1931 - )の「交響曲ト調」(1953)。これは初めて聴いた。この叙情性は民族派とは一線画す見識をもち、好感もてる作品。このような曲を書いていたんだなあ~といったチョッピリ意外な印象だった。次なるはわが国で本格的に十二音技法を音楽美学として実践果敢して、その自立的造形美の世界を提示した入野義朗(いりの よしろう、1921 - 1980)の「小管弦楽のためのシンフォニエッタ」(1953)。この作曲家を、以前≪十二音技法で先駆した入野義朗(1921-1980)『弦楽六重奏曲』(1950)。古典的な堅固で自立的造形美はことのほか美しく懐かしい。≫とタイトルし投稿した。まさに≪古典的な堅固で自立的造形美≫・・・。構成的で美しい音楽世界だ。で、最後の池野成(いけの せい、1931 - 2004)。私の音楽情報音痴、無知ゆえ、初耳の作曲家だ。伊福部昭に師事とのこと。それは収録曲の「ダンス・コンセルタンテ」(1953)の、その筆力の趣くまま過剰なまでのエネルギッシュな音響造形を聴けば、ナルホドの納得であるけれど・・・、「で?」といいたくなるにぎやかさではある。




林光「交響曲ト調」(1953)
入野義朗「小管弦楽のためのシンフォニエッタ」(1953)
池野成「ダンス・コンセルタンテ」(1953)