yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『武満徹:地平線のドーリア 他』(岩城宏之/オーケストラ・アンサンブル金沢)。

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Tōru Takemitsu ~ The Dorian Horizon ~ 1/2

            

まだ聴いた事のない一柳慧の『インタースペースINTERSPACE FOR STRING ORCHESTRA』が収録曲のリストに見えたこと、それとすでに≪高橋悠治、一柳 慧(とし)、新実徳英、西村朗『21世紀へのメッセージ(1)』(1994)。とりわけ高橋悠治の「鳥も使いか~三絃弾き語りを含む合奏」(1994)は斬新さで秀逸。ゾクゾクする三絃の弾き語り≫とタイトルして投稿している、高橋悠治の『鳥も使いか~三絃弾き語りを含む合奏』をもう一度聴こうとネット図書館でヒットしたアルバムを借り受けた。収録4曲中の3曲が2000年以降の収録ということで、この高橋悠治の伝統邦楽器の三絃を使った『鳥も使いか~三絃弾き語りを含む合奏』も別ヴァージョンか?と期待していたのだけれど、1994年収録の同じものだった。この三絃の響きと高橋悠治の斬新の試みに感じ入り≪『高橋悠治2』CD2枚組み。「音楽のおしえ」(1995)ほか。この端倪すべからざる孤高の志。いやはやなんとなんと。驚きましたでございます。まさに<音楽のおしえ>、悟りへの指し示しでございます・・・。≫と言うように、その他の三絃の作品等々を鑑賞したのだった。タイトルに記したように、これは驚きだった。武満徹には、尺八と琵琶を使った、かの有名な67年の『ノヴェンバー・ステップス』があるけれど、それに劣らぬ名作と言っていいだろう。ゾクゾクさせる三絃の艶な響き。そして浮遊する西洋楽器とのからみ。並の感性ではございません・・・。今までモダニストの最たるものと思っていた高橋悠治のイメージが崩れ落ちた瞬間だった。他の収録曲の、武満徹の『地平線のドーリアTHE DORIAN HORIZON』(1966)も、私の好きな、輝きを放っていた武満(60年)時代を代表する傑作のひとつということで、今一度という事だった。やはりこの作品については、ブログ開設すぐに≪叙情に足をすくわれないために拮抗する厳しさ武満徹≫とタイトルして投稿し、そこで【私にはこの<地平線のドーリア>のほうが、まさしく武満の独創がはっきりと確立された作品のように思える。抑制されつつも引き締まった叙情と、戦後ヨーロッパでの現代音楽が作り出した技法音響とが見事に武満トーンとして提示された作品】だと、かの「弦楽のためのレクイエム」との対比で評断していた。





01 武満徹:地平線のドーリア
THE DORIAN HORIZON

02 メシアン:異国の鳥たち
OISEAUX EXOTIQUES

03 一柳慧インタースペース
INTERSPACE FOR STRING ORCHESTRA

04 高橋悠治:鳥も使いか-三絃弾き語りを含む合奏
TORI MO TSUKAI KA FOR ORCHESTRA WITH A SHAMISEN /VOCAL PLAYER