yuki-midorinomoriの日記

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三木稔『凸―三群の三曲と日本太鼓のための協奏曲』(1970)ほか。≪邦楽であるけれど、無媒介な民族派のガチガチではない。かといってアヴァンギャルドでもない。もちろんモダニストでもない≫・・・。

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"Autumn Fantasy" by Minoru Miki 2/2 <秋の曲・秋のファンタジー三木稔作曲

           
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イメージ 2邦楽であるけれど、無媒介な民族派のガチガチではない。かといってアヴァンギャルドでもない。もちろんモダニストでもない。どうもよく分からない。しかしその畑では、強力な実行実践(日本楽器によるアンサンブル団体の「日本音楽集団」の創設推進)をもって多大の実績残している三木稔(みき みのる、1930 - )。武満徹と生年は同じだ。だけど、こちらは、軸足は完全に<和>だ。一敗地にまみれた我が焦土の近代化を玉条としモダニズムに邁進した戦後。だからからか<和>りをくって世間的な認知に遅れをとっている作曲家といえるのかも。A面の「凸―三群の三曲と日本太鼓のための協奏曲」(1970)の楽器構成は、例えば、第一群、尺八高音、十三絃筝、太棹三絃、第二群、能管及び篠笛、二十絃筝、琵琶。第三群、尺八低音、細棹三絃、十七絃筝。それに日本太鼓(祭太鼓)。といった具合だ。ソプラノ・ヴォーカリーズの入ってくる幾分モダンな風情のB面の「古代舞曲によるパラフレーズ」(1965~6)でも楽器構成は、能管及び篠笛、尺八2、三絃、琵琶、筝2,十七絃、打楽器(木鉦、締太鼓、桶胴、大太鼓、荀拍子、小鼓、大拍子、びんざさら、銅拍子他各種)、ソプラノ・ヴォーカリーゼといった邦楽器で占められている。ただソプラノ・ヴォーカリーズは西洋的であるけれど。その響きのもつ世界、察しがつくといえばそうなんだけれど、冒頭で云った≪邦楽であるけれど、無媒介な民族派のガチガチではない。かといってアヴァンギャルドでもない。もちろんモダニストでもない≫・・・。





「凸―三群の三曲と日本太鼓のための協奏曲」(1970)
「古代舞曲によるパラフレーズ」(1965~6)



Minoru Miki Requiem. (1963) [2005年改定]