yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

エサ=ペッカ・サロネン『作曲家サロネンの軌跡(1978~1992)』(2002)。通念的にすぎる玲瓏澄明な北欧的イメージは見事にはぐらかされることだろう。

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イタリアのフランコ・ドナトーニ(Franco Donatoni、1927 - 2000)、およびニコロ・カスティリオーニ Niccolò Castiglioni (1932 – 1996)に作曲を師事という経歴が、なによりこのエサ=ペッカ・サロネンEsa-Pekka Salonen, 1958 - )の作曲家としての傾向性を、勝手な類推推測でしかないけれど呼び起こさせる。べつにそんなに深い意味はなく、若き日々わたしが、ベリオノーノ、それにブソッティマデルナといったビッグネイムに押されていた彼らを注目し聴きたいと追っていた作曲家だったというだけのことなのだけれど。とは云うも、じっさい作曲家にとっての師弟関係がどれほどの影響関係にあるのかはよくわからないのだけれど。「チェロのためのユタ3 YTA 3 FOR CELLO」や「チェンバロのためのユタ2b YTA 2B FOR HARPSICHORD」それに「ピアノのためのユタ2 YTA 2 FOR PIANO」、「アルト・フルートのためのユタ1 YTA 1 FOR ALTO FLUTE」(YTA=ユタとはスウェーデン語で表面という意味だそうだ)など聴いていると、これってベリオ?といったセクエンツァ(Sequenza)シリーズの趣きを感じさせる。つまりは、超絶技巧、ヴィルトーゾが切り開く斬新な響きへの果敢、その拘りだ。そういった前衛アプローチに彩られた作品群集成といったところだろうか。ここでは通念的にすぎる玲瓏澄明な北欧的イメージは見事にはぐらかされることだろう。という意味ではモダニストまっしぐらといったところだろうか。





エサ=ペッカ・サロネン『作曲家サロネンの軌跡(1978~1992)』(2002)
ESA-PEKKA SALONEN WORKS 1992-1978

01 エサ=ペッカ・サロネンオーボエとオーケストラのためのミモ2
MIMO 2 FOR OBOE AND ORCHESTRA (1992)

02 エサ=ペッカ・サロネン:ソプラノと5人の演奏家のためのフローフ
FLOOF FOR SOPRANO AND FIVE PLAYERS (1988/90)

03 エサ=ペッカ・サロネン:チェロのためのユタ3
YTA 3 FOR CELLO (1986)

04 エサ=ペッカ・サロネンチェンバロのためのユタ2b
YTA 2B FOR HARPSICHORD (1985/87)

05 エサ=ペッカ・サロネン:ピアノのためのユタ2
YTA 2 FOR PIANO (1985)

06 エサ=ペッカ・サロネン:アルト・フルートのためのユタ1
YTA 1 FOR ALTO FLUTE (1982)

07 エサ=ペッカ・サロネンクラリネットチェンバロのための出会い
MEETING FOR CLARINET AND HARPSICHORD (1982)

08 エサ=ペッカ・サロネン:アルト・サクソフォーンとオーケストラのための協奏曲 第1楽章
CONCERTO FOR ALTO SAXOPHONE AND ORCHESTRA 1ST MOV. (1980-81,1983)
09 第2楽章
2NDM MOV. ATTACCA
10 第3楽章
3RD MOV.

11 エサ=ペッカ・サロネンクラリネットとピアノのための夜の歌 1
NACHTLIEDER FUR KLARINETTE UND KLAVIER 1. SEHR INNIG (1978)
12 クラリネットとピアノのための夜の歌 2
NACHTLIEDER FUR KLARINETTE UND KLAVIER 2. ZART
13 クラリネットとピアノのための夜の歌 3
NACHTLIEDER FUR KLARINETTE UND KLAVIER 3. FREI, WIE KADENZ
14 クラリネットとピアノのための夜の歌 4
NACHTLIEDER FUR KLARINETTE UND KLAVIER 4. RUHIG UND GESANGVOLL