yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

Zbyněk Vostřák『作品集』。チェコの現代作曲家。革新の中の手堅さといえばいいのだろうか。耳目を驚かすような斬新、革新はないが、当時の東欧圏の政治(思想)体制を思えば大いに評価されるべき事。

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イメージ 2きょうはチェコ(スロバキア)の現代音楽作曲家Zbyněk Vostřák (1920 – 1985)のLPアルバム。なんて読めばいいのでしょう、ズビネク・ヴォスタルク?。30数年前レコード店の現代音楽コーナー(といっても申し訳程度の分類)に置かれていたのを、なんの知識もなく購入したもの。ネットのない時代、こうして手に入れるのが普通だった。というも、このネット時代になってGOOGLE検索してもWIKIにその作曲家情報がかろうじて掲載されているのみ。その情報量からは、主要な活動を遺していた作曲家と推察はできるのだけれど(62年度のUNESCO国際作曲コンペティションで入賞している)。音源は・・・と動画検索してみたけれど、残念ながらヒットしなかった。ま、その程度といっては不謹慎なことだけれど、おおよその音楽史上での、その業績を指し示しているのだろうか。生年からすればブレーズ、シュトックハウゼンらより少し上の世代で、近年とみに評価高まっているドイツの作曲家ベルント・アロイス・ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann, 1918-1970)などと同世代といえる。作曲手法、作風は12音列セリーという革新傾向を示している。このことは、当時の東欧圏の政治(思想)体制を思えば、大いに評価されるべき事といえるのだろう。A-1の「(Metahudba (META-MUSIC) for Large Orchestra, op.43)」(1968)などは偶然性を取り入れた作品とのことで、その生き生きした音の移ろい、音の出会い、煌めきのオモシロさは獲得されていていい作品だ。しかし革新の中の手堅さといえばいいのだろうか。耳目を驚かすような斬新、革新はない。B-1のミュージック・コンクレートの「TELEPATHY」もそうで、手堅い佳品。

音源のない音楽ブログなどつくづく思うけれど、投稿者ともどもオモロナイ・・・。きょうは、こんなの持ってます!ブログです。




Zbyněk Vostřák『作品集』(1972)

A-1. META-MUSIC for Large Orchestra, op.43 (1968)
B-1.TELEPATHY a Concrete Sound Composition
B-2. Three Sonnets from Shakespeare for bass and chamber orchestra, op.33 (1963)