yuki-midorinomoriの日記

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スクリャービン『交響曲 第4番 作品54「法悦の詩」、ピアノ協奏曲嬰ヘ短調op.20、交響曲第5番op.60「プロメテウス」』。・ショパンの影響モロのような哀愁漂う美しい初期の「ピアノ協奏曲」。

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Alexander Scriabin Piano Concerto f-sharp minor opus 20 - I. Allegro:piano, Anatol Ugorski, Chicago Symphony Orchestra conducted by Pierre Boulez

           

ブーレーズの揮るスクリャービン(1872 - 1915)ということで、ネット図書館で借り受けた。後期の代表作である交響曲法悦の詩」(Op.54、1908)と「プロメテウス― 焔の詩」(Op.60、1910)。それに初期の「ピアノ協奏曲嬰ヘ短調 Op.20」(1896~1897)の収録されたアルバム。

のっけから通販サイトからの引用文ではじまるのも気が引けるのだけれど、

【なんだか分かったような分からぬような,イッちゃってる音楽である。突然メチャクチャ面白い響きがしたり,いきなり熱く高まったりするが,気が付くと官能に取り囲まれていたりする。】

とあった。曲名どおり、悦楽さそう?官能的でスケールの大きな音のうねりはまさにそのとおりだ。書法においての革新性はどうだか分からないのでシロウト的にはそれ以上の興趣をもてない。後期ロマン派の極点のような多彩で壮麗な音のうねり、そのエネルギーのほどには感嘆するも、なんだかドビュッシー(1862 - 1918)にはなりきれず、またシェーンベルク(1874 - 1951)ほどの革新性にも踏み切れずといったところだろうか。

ところでです・・・ショパンの影響モロのような哀愁漂うまことに美しい初期の「ピアノ協奏曲嬰ヘ短調Op.20」。今夜は、若さが存分に甘美に歌い上げられているこの曲で疲れを癒やし早々に床につくとしよう。ピッタシだ。





スクリャービン交響曲 第4番 作品54「法悦の詩」ほか Poeme De L'Extase / Piano Concerto / Promethee』
ピアノ: アナトール・ウゴルスキ(Anatol Ugorski, 1942 - )

1. 交響曲第4番op.54「法悦の詩 」Le Poeme de l'extase, op. 54
2. ピアノ協奏曲嬰ヘ短調op.20 Concerto for Piano & Orchestra in F Sharp Minor, op 20
3. 交響曲第5番op.60「プロメテウス」Promethee, Le Poeme du Feu, op. 60


Alexander Scriabin Piano Concerto f-sharp minor opus 20 - III. Allegro moderato:piano, Anatol Ugorski, Chicago Symphony Orchestra conducted by Pierre Boulez





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