yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『韓国の古典音楽 典雅なる東方の音』。音のずれ、ヘテロフォニーのたゆたい、揺らぎのもたらす時空の自然の生動性と間(ま)のつくり出す玄妙。

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korean traditional court music Su Jea Chon1 수제천1

             

一週間ほど前だっただろうかラジオから雅楽が流れていたのに出くわした。いつもの聴きなれている我が雅楽とは響きが違っていた。お隣、韓国の宮廷音楽・雅楽とのことだった。放送内容検索したところ以下だった。

【「歩虚子」                (韓国国立国楽院)
                       (3分35秒)
                 <ビクター KICE 8>】

で、さっそくネット図書館で「韓国国立国楽院(国立国楽院 National Center for Korean Traditional Performing Arts)」の演奏するアルバムをと『韓国の古典音楽 典雅なる東方の音』を借り受けた。

残念ながら放送のものとは違うレーベルのものしかなく、したがって・・・内容も違うようだ。どうやら「歩虚子」(bo-ho-ja)?とは曲名ではなく曲形式の謂いのようだ。
≪俗名を「歩虚子」といい、高麗時代に中国の宋から輸入した詞楽系統の一つで・・・元来、前後二段からなる歌詞をつけて歌っていたものだが、現在は歌詞は歌わず純器楽曲となった。郷楽の郷篳篥に対し唐篳篥を使用する。≫(同梱解説)とあった。

ところで、何がおもしろく私の興味をひいたのか・・・。間合いがずれて打楽器が打ち鳴らされるのだった。それが我が雅楽のそれよりも明瞭明快だったのだ。

【「ヘテロフォニーの響きの層」は、特にアジアの民族音楽(とりわけ古い宮廷音楽)において特徴的であり、雅楽ガムランなどで、旋律線から逸脱する部分を確認することができる】(WIKI)とあるが、そのヘテロフォニーのたゆたい、揺らぎのもたらす時空の自然の生動性と間(ま)のつくり出す玄妙に魅入られたのだった。ビミョウ絶妙のズレ・・・この感性。

海を挟んでのお隣とはいえ、やはり≪私たちは朝鮮の音楽を聴くと、とてもエキゾチックに感じる≫(小泉文夫)。

それに、伝統の奥深さと同時に張りつめた力強さがある。また管楽器の音色の哀愁は独特のものがあることは衆目するところでは・・・。




『韓国の古典音楽 典雅なる東方の音』

1. 管楽 寿斉天 su-je-chon スジェチョン
2. 合楽 長春不老之曲 chang-chun-bullo(bo-ho-ja) チャンチュンブルオ(ボホジャ)
3. 合楽 萬波停息之曲 man-pa-chong-sik マンパチョンシク
4. 管弦楽 呈祥之曲 cehong sang チョンサン
5. 管楽 慶豊年(羽調頭挙) kyong-pung-nyon キョンブンニョン
6. 大■(竹かんむりに今)独奏 堯天舜日之曲 yo-chon-sun-il ヨウチョンスンイル
7. 伽倻琴並唱 「鳥の歌」(セタリョン) se-taryong setaryonn セタリョン
8. 伽倻琴独奏 散調 san-jo サンジョ
9. 笙簫並奏 艶陽春 nak-yang-chon ナクヤンチュン
10. 觱篥独奏 柳初新之曲 yu-cho-sin ユーチョンシン
11. 唱楽 春香歌 chun-hyan-ga チュンヒャンガ



Gayageum Sanjo(가야금 산조Solo)



投稿済み記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56233509.html 『パンソリ-韓国の語り物音楽と南道系の器楽』。悠揚の大陸の流れが、その歴史の音色が脈付いていて面白く聴けた。大陸を貫通する民族音楽の蘇生創造をこそ・・・。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59816151.html 『韓国の音楽』。「朝鮮の三分割リズム」。そこに≪私たちは朝鮮の音楽を聴くと、とてもエキゾチックに感じる≫(小泉文夫