yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ファド『リスボンの涙 TEARS OF LISBON』。堪らなく胸をふさぎココロざわつかせる、あのほとばしる哀切なまでのコブシまわし・・・ファド。

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FADO ( maria da fe - valeu a pena)

             

もう4年以上も経つのだ。≪もの悲しく哀愁に満ちた歌唱に胸ざわつく<ファド>の女王アマリア・ロドリゲス(1920-1999)≫と投稿したのは。先日なにを思ったのか、リストにこれといったものがなかったせいなのか定かではないが、ネット図書館で『リスボンの涙TEARS OF LISBON』を借り受けた。たぶんポルトガルの民族的、国民的歌謡といわれている<ファド>が検索リストの目にとまったのだろう。堪らなく胸をふさぎココロざわつかせるあのほとばしる哀切なまでのコブシまわし・・・。日本の演歌とココロモチは相同と言いたいところだけれど、あの思いのたけを声ふりしぼり歌い上げるパッションのありよう、激情、哀切の深さはちょいと違うのかもしれないが。ところで【ファドは、ポルトガルに生まれた民族歌謡。ファドとは運命、または宿命を意味し、このような意味の言葉で自分たちの民族歌謡を表すのは珍しい。1820年代に生まれ、19世紀中ごろにリスボンのマリア・セヴェーラの歌によって現在の地位を得た。】(WIKI)とある。厳密には【それは、ポルトガルの首都リスボンの非常に限定された下町の地域(アルフーァマAlfama、バイロ・アルトBairro Alto、アルカンタラAlcantara、モーラリアMouraria)で主として歌われている、『都市』の歌謡です。それは、決してポルトガル全体にかかわる民衆的な国民音楽でもなければ、民族音楽でもないと言います。150年以上の伝統を持つと言われながら、楽譜ではなく、もっぱら口伝で伝えられてきたその音楽は、通常“ファドの家(casa do fado)”と呼ばれる、ファドを聴くためのバーやレストランで、ファディスタfadista(ファド歌い)と呼ばれる歌手達によって歌われます】(「リスボンの涙」より)とのこと。

ともかく<ファド>が≪運命、または宿命を意味≫するというのだから、まさしく人生そのものといえるのだろう。その嘆きと喜び、哀しみは深い。ココロを捉えて離さないのもどうりなのだ。

ただ、この『リスボンの涙TEARS OF LISBON』なるアルバムは純然たる大衆歌謡のファド・アルバムではなく【ファドが9曲とヴィランシーコ(villancicoのポルトガル語読み:スペイン語読みの“ビリャンシーコ”の発音が一般的)と呼ばれる16世紀にイベリア半島を中心に発達した世俗歌曲が8曲収められています。ヴィランシーコもまた、ファド同様に哀愁に満ちた響きを持った、当時の民衆の音楽です。】(同上)とあるけれど、現在の感性からすると音色変化の乏しい平板でモノクロームなそれら古曲は、あまりおもしろいものではなかった。これは私だけの印象ではないようで、ライヴ録音ゆえの観客の拍手が音として入っているのだけれど、ファドの歌へのそれは古曲に比べひと際大きく、愉しんでいることが窺えるものだった。







リスボンの涙 TEARS OF LISBON』

1. 私は何を見るのでしょう(QUE HE O QUE VEJO)
2. 身を起せ、わが想いよ(LEVAMTESE EL PEMSAMEMTO)
3. ヨアキム・ピメンテル:戻ってきたのね(VOLTASTE)
4. フォンテス・ローシャ:あなたに会いたくて(EU PRECISO DE TE VER)
5. ヴァスコ・デ・リマ・コート:夜(NOITE)
6. サウダーデの涙(LAGRIMAS DE SAUDADE)
7. 黒の編み上げ靴(NAO TRAGAIS BORZEGUIS PRETOS)
8. パウロ・ヴァレンティム:あなたの道を照らす光に(LUZ DE TEU CAMINHO)
9. マヌエル・メンデス:頼んでごらん、夜に(PEDE A NOITE)
10. アルマンド・マシャード:愛はひたすらに(SO PODE SER AMOR)
11. 緑の瞳をした乙女よ(MININA DOS OLHOS VERDES)
12. この深い悩みのうちに(EM MI GRAM SUFRIMENTO)
13. フランシスコ・ヴィアーナ:私はサウダーデをまとって(VESTI A MINHA SAUDADE)
14. フェルナンフォ・トード:私のこの身体(MEU CORPO)
15. 村へ行ってきたお前に訊くが(DIPUES VIENES DELHALDEA)
16. 果てしなく待ちわびて(ESPERA SEM FIM)
17. いつまでも待ちながら(SEMPRE ESPERANDO)




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