ジェルジュ・クルターク『弦楽器のための音楽』(1995)。愚直なまでにその様式はウェーベルン的な古典的世界を貫く。緊張湛え寡黙に起っているといった印象だ。
ルーマニア出身のハンガリー人の作曲家、ジェルジュ・クルターグ(Kurtág György, 1926 - )のアルバム『弦楽器のための音楽』(1995)をネット図書館で借り受け鑑賞した。検索モレだったのだろう。ハンガリーを出自と知るだけで、はや短絡的に1956年のハンガリー動乱に象徴される政治的抑圧の背景を感じとってしまう。たしかにそうなのだ。このアルバムの音楽を聴けばその音たちが緊張湛え寡黙に起っているといった印象を抱くことだろう。彫琢された厳しい音で対峙する堅固な世界に粛然とすることだろう。もう一人の戦後を代表するハンガリーを出自とする音楽史的作曲家ジェルジュ・リゲティ(Ligeti György Sándor、1923 - 2006)とは親交あったとのことだけれど、ほぼ同世代である事を今回はじめて知った。
リゲティに比べ愚直なまでに、その様式はウェーベルン的な古典的と言ってもいい世界を貫いている。そこにブレない清々しささえ感じさせる。同じような寡黙堅固な音響世界であっても、ウェーベルンのほうがむしろ冷厳な叙情を感じさせる。ウェーベルンはドイツ世紀末後期ロマン派の伝統の流れをおのれの出自とするこうした音楽の成り立ちがそうさせるのだろうか。
リゲティに比べ愚直なまでに、その様式はウェーベルン的な古典的と言ってもいい世界を貫いている。そこにブレない清々しささえ感じさせる。同じような寡黙堅固な音響世界であっても、ウェーベルンのほうがむしろ冷厳な叙情を感じさせる。ウェーベルンはドイツ世紀末後期ロマン派の伝統の流れをおのれの出自とするこうした音楽の成り立ちがそうさせるのだろうか。
2. ジェルジー・クルターク:小オフィチウム(聖務日課)エンドレ・セルヴァンスキを追悼してop.28(ヴィルフリート・ブレネケに献呈)(OFFICIUM BREVE IN MEMORIAM ANDREAE SZERVANSZKY OP.28)(1988/89)
3. ジェルジー・クルターク:2つのチェロ,2つのヴァイオリン,チェレスタのための~リガトゥーラ-フランセス=マリーへのメッセージ(答えのない質問への答え)op.31/b(第1版)(FUER 2 VIOLONCELLI, 2 VIOLINEN UND CELESTA LIGATURA - MESSAGE TO FRANCES-MARIE (THE ANSWERED UNANSWERED QUESTION) OP.31/B)(1989)
5. ジェルジー・クルターク:ミハーイ・アンドラーシュへのオマージュ 弦楽四重奏のための12のミクロリュードop.13(HOMMAGE A MIHALY ANDRAS, 12 MIKROLUDIEN FUER STREICHQUARTETT OP.13)(1977/78)
6. ジェルジー・クルターク:2つのチェロ,2つのヴァイオリン,チェレスタのための~リガトゥーラ-フランセス=マリーへのメッセージ(答えのない質問への答え)op.31/b(第2版)(FUER 2 VIOLONCELLI, 2 VIOLINEN UND CELESTA LIGATURA - MESSAGE TO FRANCES-MARIE (THE ANSWERED UNANSWERED QUESTION) OP.31/B)(1989)
György Kurtág : ΣΤΉΛΗ (Stele)