yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第3番、ほか』。この甘ったるさはいったい何なのだろう。ただ「前奏曲変ロ長調op.23-2」はまったくすばらしかった。

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Evgeny Kissin - Rachmaninov Piano Concerto No. 3 (part 1 of 4)

             

趣くまま好き勝手にやっている自分のブログ投稿に言い訳する必要もないのだけれど、最近読書(小説ではありません)のほうに時間を割かれていることもあって、音楽鑑賞が二の次になってしまっているきらいがある。それはさておき、きょうは、昨日のエルガーと同じく町の図書館で借りてきたラフマニノフ(Sergei Vasil'evich Rachmaninov、1873 - 1943)の『ピアノ協奏曲第3番』の入ったアルバムの鑑賞投稿。ピアニストはエフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin, 1971 - )。あまりに甘美にすぎる?ということでいままで避けてきたラフマニノフなのだけれど・・・。べつにこのピアノ協奏曲が≪第1回アメリカ演奏旅行のために作曲され・・・アメリカで初演された≫(WIKI)ということに短絡してのことではないけれど、ハリウッド映画の劇伴音楽かといったような私のどうしょうもない偏見印象がついて回り、あまり好きになれなかった(今でも)のだ。(じつは、年代的にハリウッド映画の全盛は1930~40年代なんだそうだが)。ロマンティシズムといえばまったくその通りなんだけれど、この甘ったるさはいったい何なのだろう。ただ、そういったラフマニノフでも収録曲の「前奏曲変ロ長調op.23-2」はまったくすばらしかった。甘さだけでは終わっていない。それだけは強調しておこう。

アメリカ文化の象徴に「ハリウッド製の映画」がありますが、アメリカで大成功を収めたラフマニノフの音楽も「ハリウッド的」で、仮に通俗的ではあったとしても、生半可なレベルではなく、現実を超えるようなロマンティックな夢を見させてくれる、豪華絢爛でリッチな通俗性なのです。
しかしラフマニノフの作品には、同時に濃い影もあり、一種病的な心理が描出されていることも少なくありません。そうしたロシア人的な明暗の濃さ、心理的な重苦しさ、それとハリウッド的なリッチで陽性のロマンティシズム、その共存こそがラフマニノフの真の魅力です。(西村 朗「クラシックの魔法―スピリチュアル名曲論」より)



ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第3番、ほか』

1. ピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30
2. ヴォカリーズop.34-14(リチャードソン編)
3. 前奏曲変ロ長調op.23-2
●リスト:
4. スペイン狂詩曲
シューマン:
5. 献呈(リスト編)



Evgeny Kissin - RACHMANINOV Prelude in B Flat