yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『「戦争」が生んだ絵、奪った絵』。

イメージ 1


海ゆかば(Umi Yukaba)~If I go away to the sea~ Japanese military song

               

≪「戦争」を生き抜いた画家は、今度は戦争体験と戦わねばならなかった。
戦争の激浪に拉致された画学生、画家たちは、沈黙を強いられることとなった。・・・≫(『「戦争」が生んだ絵、奪った絵』より)

世代的に、わたしの親と同じということもあって、それからくる思い入れの所為か胸ざわつかせる。



              <泣きたいやつ>

               おれよりも泣きたいやつが
               おれのなかにいて
               自分の足首を自分の手で
               しっかりつかまえて
               はなさないのだ
               おれよりも泣きたいやつが
               おれのなかにいて
               涙をこぼすのは
               いつもおれだ
               おれよりも泣きたいやつが
               泣きもしないのに
               おれが泣いても
               どうなりもせぬ
               おれより泣きたいやつを
               ぶって泣かそうと
               ごろごろたたみを
               ころげてはみるが
               おいおい泣き出すのは
               きまっておれだ
               日はとっぷりと
               軒先で昏(く)れ
               俺ははみ出て
               ころげおちる
               泣きながら縁先を
               ころげてはおちる

               泣いてくれ
               泣いてくれ

                  (石原吉郎『斧の思想』より<泣きたいやつ>)


≪極限状況は、およそどのような教訓からも自由であるというのが、私が得た唯一の「教訓」である。人は教訓を与えられるために、極限状況へ置かれるのではない。人はそこでは、そのまま状況におしつぶされるか、かろうじてそこから脱出しうるかのいずれかになる。もしわずかに脱出しえたにせよ、帰って来たものは、何らかの形ですでに、人間としてやぶれ果てた姿だという事実を忘れるべきでない。一人の英雄もそこからは帰ってこなかったのである。≫

                  (石原吉郎『海を流れる河』花神社・1974より)



イメージ 2
香月泰男「作業場への坂道」(1947年)シベリヤ抑留時代の風景


Anton Webern: Slow Movement

どこかで聴いたことがあると・・・、思い出した。加古隆