『お水取り東大寺修二会（しゅにえ）』。東大寺の声明は荒々しく、武骨。まるでやけくそになって悔過（けか）している風情なのだ。

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ゆるり東大寺

３月１１日の東北関東大震災の言葉を失う激甚な災害をまえに、すっかり時間感覚があいまいになってしまったようだ。奈良東大寺のお水取り、修二会（しゅにえ）も、いつの間にやら終わって？しまっていた。いささか時機を逸した、間の抜けた投稿になってしまった。ネット図書館でたまたま見つけ借りた『お水取り東大寺修二会』。執り行われた「修二会」の音響ドキュメント。その祈りの声、宗教の響きを聴きたくて借りたのだった。つづめて言えば読経、東大寺の「声明」を聴きたくてだった。今までこのブログでとりあげた天台や真言の「声明」とは随分と趣が違う。音楽的といってもいいような洗練をもつ天台や真言の「声明」とはちがって、荒々しく、武骨。まるでやけくそになって悔過（けか）している風情なのだ。

【二月堂修二会の声明の最大の特徴は、厳しい行、激しい動きに伴って唱えられるということである。しイメージ 2

たがって、きわめて明るく、大らかで生命力に満ちている。屈託がなく、時にはユーモラスでさえある。一般に見聞する葬儀、法要等の仏事から受ける暗さ、湿っぽさ、悲哀等は微塵も感じられないし、また天台、真言のように、楽理と唱法を駆使し、声楽的に極限まで洗練されてきた「芸術的な声明」とも異なる。修二会の声明はたとえ、幾分なりともそこには天平の響きを伝え、素朴に、純粋に神をおそれ、仏をあがめ、悔過（けか）してきた人々の敬虔な信仰、素直な叫びにも似た祈り、民謡を感じる。】（同梱解説・牧野英三）

『お水取り東大寺修二会』

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『お水取り東大寺修二会（しゅにえ）』。東大寺の声明は荒々しく、武骨。まるでやけくそになって悔過（けか）している風情なのだ。

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