yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ロディオン・シチェドリン、ルノー・ガニュー『チェロと管弦楽のための協奏曲、チェロと管弦楽のためのトリプティック』。

イメージ 1

Renaud Gagneux Requiem.

               

「ロシアの偉大な詩人ボリス・パステルナークは、自分が聞いた生涯最高の音は静寂だといったことがある。音楽には静寂を作り出せる可能性がある。それは単に脈動する音ではない。静寂は、色彩、倍音、抑揚、メロディー、ハーモニー、リズムで構成される。作曲家も画家も自分の作品に“静寂”というタイトルをつけることができるが、それは同じ静寂なのではない。作曲家は誰もが、この静寂というものの美しさを生涯のどこかで体験しているはずだと私は思っている」(ロディオン・シチェドリン

シチェドリン(Rodion Konstantinovich Shchedrin, 1932 - )の「チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲」のタイトルにある<ソット・ヴォーチェSotto Voce> とは「静かに押さえた声で」という意味をもつ音楽用語なのだそうだ。たしかにそうした曲趣をもつ余韻深く肉声響く作品だ。同じ旧ソ連音楽史チェリストロストロポーヴィチとのマッチングが見事な曲といっていいのだろう。激することなく「自己抑制」的な静穏の支配する、どちらかといえば調性的な保守性をもつ佳曲といえる。もうひとつの「チェロと管弦楽のためのトリプティック」は、フランスのルノー・ガニュー Renaud Gagneux (Paris 1947-)による、いかにも音響創造、その移ろいに感性の関心をおくフランススペクトル楽派の影響感じさせる曲趣をもつ。音響的な面での面白さはやはり・・・さすがだ。その経歴、研鑽を覗いてみると、ヨーロッパ現代音楽の王道を行くがごときの華麗さをそこにみることだろう。

【作曲をデュティユーに師事した後、1966年にケルンでシュトックハウゼンの、その後もパリ音楽院でジョリヴェ、メシアンの薫陶を受け、1972年に作曲で一位を得た、1970年にフランスのミュージック・コンクレートの研究グループであるGERMに入ったが、1972年にはGERMを脱退したアンリ・シェッフェールが結成し、リュク・フェラーリクセナキスも参加していたラジオフランスの現代音楽研究グループ(GRM)に入った。・・・】(ルノー・ガニュー







シチェドリン:チェロと管弦楽のための協奏曲 / ガニュー:チェロと管弦楽のためのトリプティック
ロストロポーヴィチ(vc)小澤征爾 / LSO

●ガニュー:
01チェロと管弦楽のための

シチェドリン
02チェロと管弦楽のためのソット・ヴォーチェ協奏曲




Anna Arazi plays Shchedrin, Basso-Ostinato