yuki-midorinomoriの日記

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ショスタコーヴィチ『交響曲第5番|チェロ協奏曲第1番』。革命前進の明瞭な意志、力強く歩み推進するこの高揚感。

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Shostakovich - Symphony No. 5:Gergiev conducted BBCSO.

              
              投稿音源のものではありません。

傑作といっていいのだろう、ショスタコーヴィチの『交響曲第5番』。<簡潔・明確>・・・足並みそろえて前進、社会主義革命遂行のため。だからなのか、リズムは明確に刻まれる。以前も言ったことあるけれど、


【・・・しかし、実際のところ、本当のところ、この作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチ(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich, 1906 - 1975)とは「一体どうなのよ・・・」。いつもこのことばが口をついて出てくる。緩徐楽章のナイーヴ、センシティヴなすばらしさに比べ、アップテンポの展開楽章のクダラナサ。聴いていて気恥ずかしくなるような、まるで口笛、口三味線がそのまま曲になったような浅薄さ(これを親しみやすさというか?。上記既投稿記事で【臆面のない<明瞭さ><わかりやすさ>は?】とも印象記してきた・・・)。大衆啓蒙(裏返せば大衆蔑視。愚昧な連中を啓蒙するということだ)の社会主義リアリズムの発揚圧力が行進曲風に背後を押しているだろうことを割り引いたとしても、お粗末。いや恥ずかしくて顔が火照ってくる。しかし先に言ったように、緩徐楽章の叙情的、また内省的な音作りはすばらしく一級品であることは、名誉のためにも言い募っておこうか。だから一応聴きはするのだけれど・・・。
それにしても、「一体どうなのよ・・・」。】


私自身、おおむねショスタコーヴィチの音楽へは、こう言った印象から抜けきれないのだけれど。だからと言ってこの『交響曲第5番』を貶める気などサラサラない。愛すべきすばらしい曲であることはおおいに認めるにやぶさかではない。

全編つらぬく革命前進の明瞭な意志、力強く歩み推進するこの高揚感。

ところで、この『交響曲第5番』の作曲なったのは1936年。ヨーロッパが革命と戦乱で泥沼と化す激動の足音迫る時代でもあった。社会主義国家・ソ連邦にあっては、悪名高き粛清圧制スターリン治世の時代だった。

ロシア連邦国立文書館にある統計資料によれば、最盛期であった1937年から1938年までに、134万4923人が即決裁判で有罪に処され、半数強の68万1692人が死刑判決を受け、63万4820人が強制収容所や刑務所へ送られた≫(WIKI)

その体制下、人民を社会主義国家建設へと駆り立て、鼓舞すべく要請御用された社会主義リアリズムに副う曲でもあった。しかし、こうしたことで、この曲のすばらしさが損なわれることはないだろう。

わたしは、先に言ったように≪緩徐楽章のナイーヴ、センシティヴなすばらしさ≫のショスタコーヴィチは好きだ。この『交響曲第5番』の第3楽章もそのとおり。すばらしい。






ショスタコーヴィチ、関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61555997.html ショスタコーヴィチ『チェロ協奏曲第1番、チェロ・ソナタop.40』。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55548387.html ドミトリー・ショスタコーヴィチ交響曲第1番」・「交響曲第7番」。冷戦終結、革命幻想、社会主義体制ソ連崩壊ののちの再評価、人気到来のその内実や如何。この臆面のない<明瞭さ><わかりやすさ>は?

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/52128238.html ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲の編曲作品『室内交響曲作品110a』と『弦楽のための交響曲作品118a』。抑圧の時代状況下での自らの芸術活動の奮迅鼓舞を聴く。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/52012020.html ドミトリー・ショスタコーヴィチ24の前奏曲とフーガ』(1952年)。ナチュラルな感性で、純で伸びやか、自身も愉しみながら作曲したのではないかと思わせる。







ショスタコーヴィチ交響曲第5番|チェロ協奏曲第1番』
SHOSTAKOVICH: SYMPHONY NO.5, ETC.

1. ドミートリイ・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ交響曲第5番ニ短調op.47 第1楽章
  SYMPHONY NO.5 IN D MINOR OP.47 1ST MOV.
2. 第2楽章
3. 第3楽章
4. 第4楽章

5. ドミートリイ・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調op.107 第1楽章
  CONCERTO FOR CELLO AND ORCHESTRA NO.1 IN E FLAT MAJOR OP.107 1ST MOV.
6. 第2楽章
7. 第3楽章
8. 第4楽章




Dmitri Shostakovich - Symphony No. 5 Op. 47 - Largo (3/4)