yuki-midorinomoriの日記

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英国フリージャズAMALGAM『Prayer For Peace』(TRA 196・1969)。「祈り」に相応しい精神性の高みを聴く。

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Tales of Sadness

               

6年以上前のブログ開設間もないころに≪英国フリージャズ、AMALGAMの愛と祈りは、人を気高く崇高にさせる≫とタイトルして投稿しているアルバムの再登場。つまりは、思い出に残るアルバムであり、ジャズファンといっても、フリー系のファンへのアピールの思いだった。ベースがジェフ・クライン Jeff Clyne、ドラムスがジョン・スティーヴンス John Stevens であり、サックスがトレバー・ワッツ Trevor Watts ということで、手にしたアルバムだった。
以下、その6年以上前の記事を全文再掲しておこう。それほどに思い入れの強いアルバムです。今やっと、音源の貼り付ける環境が整ったので再投稿させていただこう。

【 なぞの死を遂げたあのアルバートアイラーのサックス、ベース、ドラムスによるトリオ演奏「スピリチュアルユニティ」は、フリージャズの成果としてつとに有名であるが、どうもフリージャズは、と常々思われておられる方々には、むしろこのサックス奏者、トレバー・ワッツの<PRAYER FOR PEACE>の演奏のほうを是非聴いていただきたい。印象的な、悲しみに満ちた分かりやすいテーマがまず奏でられ、じょじょに変奏インプロヴァイズされて進行してゆく。とりわけベースとドラムスの絡みがこれまた非常に品よくまとまって感じがいい。サックスとの見事なコラボレーションが気持ちよいほどに展開されている。そこには品性の豊潤さ知性をさえ感じさせる。トレバー・ワッツのサックスは、フリージャズによく聞く濁った且つフリーキーな音が程よく抑制コントロールされ、むしろ美しく端正さをさえ感じさせる。そのせいか美しく品の良いフリージャズが聞けることだろう。けれども実際のところどこまでフリーインプロヴァイズされているのかは分からないけれども、ともかく印象的なテーマ・メロディが様々な形で変奏展開されてゆく見事さ美しさを感じとり、フリージャズへの最良の導きとしていただきたく、ここに採り上げました。タイトルにあるように「祈り」に相応しい精神性の高みをこの演奏に聞かれることとおもいます。アルバート・アイラーよりも、ボサノバに行ってしまった渡辺貞夫よりも、こちらからと、薦めたい一曲です。 】

43年前の、上質のヨーロピアンフリー系ジャズを愉しんでイタダキヤショウ・・・。







Amalgam『Prayer For Peace』(TRA 196・1969)

Tracklist Hide Credits▼
A1. Tales Of Sadness 14:28
A2. Judy's Smile I 9:55
B1. Judy's Smile II 10:09
B2. Judy's Smile III 8:41
B3. Prayer For Peace
Bass – Barry Guy
7:33

Credits:
• Alto Saxophone, Composed By, Design [Text] – Trevor Watts
• Bass – Jeff Clyne
• Design, Photography – Jak Kilby
• Drums – John Stevens (2)
• Engineer – Eddie Offord*
• Producer – Terry Yason

Notes:
Recorded at Advision London on the 20th May 1969
John Stevens by courtesy of Marmalade Records


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