yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

シューベルト『歌曲集』。連休中休みとばっかり思っていた町の図書館が開いていると知り、いそいそ出かけ、借りてきたシューベルトの『歌曲集』。

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Elly Ameling: "Auf dem Wasser zu singen" by Franz Schubert

              

水の上で歌う Auf dem Wasser zu singen 作品72 D.774

照りかえす光のきらめく波のさなかを
白鳥のようにゆらゆらと舟はすべっていく。
ああ、やわらかに光をちらつかせる波の楽しさにひかれて
舟のように魂もまたすべっていく。
夕映えが大空から波の上に降りそそいで、
舟をめぐって踊りたわむれているのを見て。

西方の森の梢の上では
赤くもえる光が親しげに私たちに目くばせし、
東方の森の樹蔭では
赤くもえる光を浴びて菖蒲がそよいでいる。
大空の喜びと、森の静けさとを
魂は息づく、あかねさす光の中で。

ああ、露にぬれた翼をはばたきながら、
時間はゆらめく波の上を、私から消えていった。
ほの光る翼をはばたきながら、明日もまた
時間は消えてゆくのだ、昨日や今日とおなじく、
より高く輝く翼にのって、
私自身がうつろう時の中に消えてゆくまで。

(フリードリヒ・レオポルト・シュトルベルク詩)


イメージ 2ゴールデンウイーク、いや大型連休?どっちだっていいのだけれど。どこかへ出かける元気も、懐もない身には、何するでもなく、なんとなく時間をつぶすのが性にあっているといったところか。この機とばかり拙宅の経年劣化による不具合などの補修や、毛虫が涌いてくる前に庭木の剪定を・・・と、また誰に頼まれたわけでもないのに、とりあえず我が子の幼少時の姿を撮りためてあったVHSビデオテープのDVDへのダビングで時間を潰しと・・・(アナログテレビの地デジ化を兼ねてチューナーとしても使えるとあって購入した廉価なVHSビデオつきのDVDレコーダーを使って。VHSビデオデッキはいままでに3台も壊している(メカニック上必ず壊れるらしい)ため、手持ちのメカを所有せず、このままでは撮りためたわずかのビデオ記録さえもゴミクズとなるということもあって・・・)。


この時にこそと意気込んでいた読書のなにほどもせず・・・。寝ているのやら読書しているのやら。あっという間の連休だった。

おざなりな投稿でありますが、きょうも、昨日に引きつづき歌曲のアルバム。連休中休みとばっかり思っていた町の図書館が開いていると知り、いそいそ出かけ、借りてきたシューベルトの『歌曲集』。昨日も言ったけれど、限られた選択肢のなかでの一枚。




シューベルト『歌曲集 SCHUBERT: LIEDER』


1.水の上で歌う 作品72 D.774 (シュトルベルク詩)
 Aufdem Wasser zu singen,0p.72 D.774 (F、L.Stollberg)
2.ます 作品32 D.550 (シューバルト詩)
 Die Forelle, 0P.32 D.550 (C.F、D.Schubart)
3.白鳥の歌 作品23の3 D.744 (ゼン詩)
 Schwanengesang,0p.23 N0.3 D,744 (J.Senn)
4.ガニユメート 作品19の3 D.544 (ゲーテ詩)
 Ganymed,0p.19 N0.3 D.544 (J.W、V.Goethe)
5.春の小川で 作品109の1 D.361 (ショーバー詩)
 Am Bach im Friihling, 0p.109 NO.1 D.361 (J、Schober)
6.夕映えの中で D.799 (ラッぺ詩)
 lm Abendrot, D,799 (K.Lappe)
7.野ばら 作品3の3 D.257 (ゲーテ詩)
 Heidenroslein,0p,3 N0.3 D,257 (J.W.V.Goethe)
8.あの国をご存じですか D.321 (ゲーテ詩)
 Kennst du das Land, D.321(J.W.V.Goethe)
9.恋する女の手紙 D.673 (ゲーテ詩)
 Die Liebende Schreibt, 0P.165 N0.1, D.673 (J.W.V.Goethe)
10.漁師の歌 作品96の4 D.881(シュレヒタ詩)
 Fischerweise,0p,96 N0.4 D,881 (EV.Schlechta)
11.ロザムンデのロマンス 作品26 D.797 N0.3b (シェジー詩)
 Romanze aus Rosamunde・ Op.26 D.797 N0.3b Der vollmond strahlt (H.V.Ch6zy)
12.独りずまい 作品41 D.800 (ラッペ詩)
 Der Einsame, 0p.41 D.800 (K.Lappe)
13.シルヴイアに 作品106の4 D.89162:51(シェイクピア詩、バウエルンフェルト独訳)
 An Sylvia, 0p.106 N0.4 D.891 (W.Shakespeare/E.V.Bauernfeld)
14.リユートに寄せて 作品81の2 D.905 (ロホリッッ詩)
 An die Laute, 0p.81 N0.2 D.905 (J.F.Rochlitz)
15.幸福 D.433(ヘルラーイ詩)
 Seligkeit, D.433 (L.C.H.H6lty)
16.若き尼僧 作品43の1 D.828 (ヤケルッタ詩)
 Die junge Nonne, 0p.43 N0.1 D.828 (J.N.C.d.Jachelutta)
17.糸を紡ぐグレートヒェン 作品2 D.118 (ゲーテ詩)
 Gretechen am Spinnrade, 0p.2 D.118 (J.W.V.Goethe)
18.アヴエ・マリア 作品52の6 D.839 (スコット詩、シュトルク独訳)
 Ave Maria, 0P.52 N0.6 D.839 (S.W.ScottゾA.Storck)
19.音楽に寄せて 作品88の4 D.547 (ショーバー詩)
 An die Musik, 0p.88 N0.4 D.547 (F.V.Schober)
20.春へのあこがれ D.957,N0.3 (レルシュタープ詩)
 Fruhlingssehnsucht,D.957 N0.3 (L.Rellstab)
21.子守歌 作品98の2 D.498(作詞者不明)
 Wiegenlied, 0p.98 N0.2 D.498 (writer unkown)



Elly Ameling: Die Forelle (Schubert)


ます Die Forelle 作品32 D.550

明るく澄んだ小川に
喜々として身をひるがえし、
ますが思いのままに
矢のように泳いでいた。
私は岸辺に立って
快い安らぎを感じなから眺めていた
澄みきった小川の中で
魚がたのしそうに泳いでいるのを。

折から、さおを手にした漁師が
岸辺に陣どって、
魚がおどっている有様を
ひややかに眺めやっていた、
私は思った、
水が澄んでいる限り、
あの男の釣針に
ますがかかることはよもやあるまい、と。

だけど、ついにその冷酷な男は
待ちきれなくなって、
狡猾にも小川をかき濁した、
私があっと思うまもなく、
彼のさおがはげしく動いて、
その先に魚が身もだえていた。
私は胸をかきむしられる思いで
わなに落ちた獲物を見つめていた。

(クリスティアン・フリードリヒ・ダニエル・シューバルト詩)