武満徹『ピアノ作品集』。1973年とあるから外装変えての何回かの登場ということなのでしょう。
いつも人の家で、邪魔をしないようにそっとピアノを借りて弾いていたもので、僕の音楽はほとんどがピアニッシモなんだ。それに下手だったから、ゆっくりしか弾けなかったので、僕の曲にはほとんどアレグロがない。(岩城宏之「作曲家武満徹と人間黛敏郎」)
いくらかの興味をもって聴こうかと手にするアルバムもほとんどなくなってしまったわが町の図書館所蔵CD。そんなら・・・と借り受けてきたのが武満徹の『ピアノ作品集』。1973年とあるから外装変えての何回かの登場ということなのでしょう。
好きな作曲家だから何回聴いてもいいのだけれど。そのつどの濃密な音楽世界の体験ということで。音楽史的傑作、出来事であることはなにをいまさらと思うのだけれど。
たぶん、以下の記事でとり上げたアルバムと音源はおなじなのでしょう。
たぶん、以下の記事でとり上げたアルバムと音源はおなじなのでしょう。
以下にも、ピアノ作品のものはすでに投稿している。
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/60919164.html 『武満徹全集2器楽曲合唱曲』CD11枚組み。遺稿の中から発見された真の処女作?「ロマンス」(1948-49)に感じ入る。
これら以上に紡ぎだすことばは持ち合わせていないのだけれど。
ブログ開設して間もない6年以上前の頃に投稿した、先のアルバム(LPレコード!)の解説文にたぶんあったのだろうピアニスト・高橋悠治記すことばが目に留まったので、ここに引用して擱こう。
【 ・・・かれの曲にしばしばあらわれる瞬間、うたれた和音が鐘のように余韻を変化させていく過程や、メロディーをひくゆびがとつぜんたちどまって、そのこだまをたしかめようとするときにであうと、かれがそのピアノのうえにかがみこんで、きえていく音に耳をすませているところをおもいだす。譜面台には、うすいエンピツでかかれ、半分きえかかったスケッチがあり、鍵盤のうえには、けしゴムのくずが散乱しているのだった。 音がきえていく、ということは、それがでてきたところへかえっていくこと。音のすみかは沈黙。武満徹の音楽には、よびおこされる音がたどるみちのかげに、無数の音のねむりをかくした沈黙のいえのさえぎられることのないなめらかな運動がききとれる、とはおもわないか。 】(高橋悠治)
1. フォー・アウェイFor Away (1973)
2. 遮られない休息ⅠUninterrupted restⅠ(1950)
3. 遮られない休息ⅡUninterrupted restⅡ(1959)
4. 遮られない休息ⅢUninterrupted restⅢ(1959)
5. ピアノ・ディスタンスPiano Distance(1961)
6. ピアニストのためのコロナCorona for Pianist(s)(1962)
2. 遮られない休息ⅠUninterrupted restⅠ(1950)
3. 遮られない休息ⅡUninterrupted restⅡ(1959)
4. 遮られない休息ⅢUninterrupted restⅢ(1959)
5. ピアノ・ディスタンスPiano Distance(1961)
6. ピアニストのためのコロナCorona for Pianist(s)(1962)