yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ブラームス『歌曲集』(CD5枚組)。やはりフィッシャー・ディスカウの歌唱は圧倒的。

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むかしの恋

              

              むかしの恋 Alte liebe 作品72の1

              黒いつばめが
              遠い国から帰ってくる、
              信心深いこうのとり
              新しい幸福を運んで帰ってくる。

              どんよりと曇って、温かい
              この春の朝に、
              私はむかしの恋の歎きに
              いま一度めぐりあったような気がする。

              それは誰かが私の肩を
              そっとたたきでもしたような、
              一羽の鳩が空をとぶ
              羽ばたきの音を聞いたような気持ちだ。

              誰かが私の戸口をノックし、
              そして外には誰もいない、
              私はジャスミンの香りをかぐ、
              花束なんかありはしないのに。

              誰かが遠くから私を呼び、
              誰かの眼が私を見つめる――
              むかしの夢が私をとらえて、
              その道すじが私を導いてゆく。

              (カンディデュース詩)



まずは、サッカーワールドカップブラジル大会をかけての対イラク戦(率いるは元日本代表監督でニッポンをドイツ大会へと導いたジーコ監督)の勝利おめでとう。最少得点での勝利とはいえ、まずまず安心して・・・観られたかな?。気分は良好。ということで、テレビ観戦終えてのわずかな時間。ほぼやっつけの音楽ブログの投稿。きのうに引きつづいてのブラームスの歌曲集から。貼り付け動画音源を手っ取り早くと、動画サイトでいろいろ検索し聴いてみたけれど、やはりフィッシャー・ディスカウ以上に魅せるものはないようだ。この安定感!・・・。




ただようくもの糸


ただようくもの糸 Sommerfaden 作品72の2

ただようくもの糸が、あそこにここに
大空から舞いおりてくる、
あれは人間の頭脳の織りもの、
金色に輝く愛の夢のきれはし。

あそこの藪に、樹々の枝に
ただようくもの糸がひっかかる、
高いところに自分自身の獲物が
ぶら下がっているのをぼくらは仰ぎ見る。

(カンデイデュース詩)



さよなら!


さよなら!Ade! 作品85の4

星がなんと明かるく、天上から
光をそそいでいたことだろう!
愛し会う二人は戸口に立った、
ああ、手をとりあって――さよなら!″

野原や小道で花が泣いていた、
愛し合う者の悲しみを思って、
二人は悲しげにわかれ道に立った、
ああ、心を寄せあって――さよなら!″

森のしじまの中を微風がそよぎ、
谷聞から、丘の上から、
二つの白いハンカチを吹きなびかせる、
 ゛さよなら! さよなら! さよなら!″

    (カッパー詩)

以上歌詞邦訳は同梱解説書より