プロコフィエフ『ピアノ協奏曲全集』。プロコフィエフ。べつに悪くはないのだけれど・・・。
プロコフィエフ。べつに悪くはないのだけれど・・・。つくり上げられた私の思い込みというのは度し難いもので。ロシア=ヨーロッパの田舎、辺境。中心から逸れているからこそのセンセーショナルな時代の革新、刺激といえるのかどうか。劣っている、後れているとかではなくて。ひと旗揚げに、野心を文化芸術の中心パリへ、ニューヨークへ・・・と。ひと通りは聴いておこうかとの選択でネット図書館にて『ピアノ協奏曲全集』(CD2枚組み)を借りて鑑賞した。才気煥発、きらめく天才のわざというべきなのだろうか。たぶんこの作曲家プロコフィエフにとって、まわりの連中は愚鈍に思えたのでは。徹底的な機能性の音楽。実質のない表層と旧時代めいた叙情性の混在。重厚と深みの欠如。いや忌避というべきか。華やかで軽やか、革新の意匠をまとう空ろな喧騒。
これぐらいのこと、かんたんなものさ・・・。
切れ味鋭い刃物では、大木を倒すことはできない。
「ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16」(1912-13)がもっともおもしろく聴けた。
プロコフィエフ『ピアノ協奏曲全集』