yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

プロコフィエフ『交響曲全集』。「交響曲第7番嬰ハ短調 作品131」。バーバリックな初期の尖った交響曲とはいくぶん趣が違っている。基調は穏やかなのだ。死の前年の作。

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Rozhdestvensky - Prokofiev Symphony No.7 in C-sharp minor, Op.131

               
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「死は人生の出来ごとにあらず。ひとは死を体験せぬ。
永遠が時問の無限の持続のことではなく、無時間性のことと解されるなら、現在のうちに生きる者は、永遠に生きる。
われわれの生には終りがない。われわれの視野に限りがないように。」(ヴィトゲンシュタイン

「人間の魂の時間的な不死、いいかえれば、魂が死後も永遠に存続するということ、これにはどんな保証もないし、それどころかこれを仮定したところで、ひとがそこに託した希望はけっして満たされない。そもそも、わたくしが永遠に生き続けることによって、謎が解けるというのか。そのとき、この永遠の生命もまた、現在の生命とひとしく、謎と化さぬか。時間・空間のうちに生きる生の謎の解決は、時間・空間のかなたに求められるのだ。
(げに、解かれねばならぬ問いは、自然科学のそれではない。)」(ヴィトゲンシュタイン


きのうに引き続ききょうもプロコフィエフ(1891 - 1953)の交響曲から。「交響曲第7番嬰ハ短調 作品131」。
1952年というから死の前年61才の作であり最後の交響曲

【ソヴィエトの青年に捧げる意向であったため作曲者自身が「青春交響曲」と呼んでいたことから、『青春』の標題が用いられることもある。】(WIKI)

こうしたこともあってか、ほかの交響曲とはいくぶん趣が違っている。基調は穏やかなのだ。もちろん叙情性に加えて。きのう投稿した30代の作である「第2番」で響かせているバーバリックな荒々しさは、ここでは抑えられている。

伸びやかな開放感、清々しさを感じさせはする(芥川也寸志が好みとするような)が、わたしには、黄昏に生を閉じようとする人間の諦念が、対比的に哀しく歌われているように聴こえてくるのだけれど。短絡にすぎるだろうか。






Disc1:
1. 交響曲第1番ニ長調 作品25《古典》 第1楽章
2. 交響曲第1番ニ長調 作品25《古典》 第2楽章
3. 交響曲第1番ニ長調 作品25《古典》 第3楽章
4. 交響曲第1番ニ長調 作品25《古典》 第4楽章
5. 交響曲第4番ハ長調 作品112(1947年改訂版) 第1楽章
6. 交響曲第4番ハ長調 作品112(1947年改訂版) 第2楽章
7. 交響曲第4番ハ長調 作品112(1947年改訂版) 第3楽章
8. 交響曲第4番ハ長調 作品112(1947年改訂版) 第4楽章

Disc2:
9. 交響曲第2番ニ短調 作品40 第1楽章
10. 交響曲第2番ニ短調 作品40 第2楽章
11. 交響曲第3番ハ短調 作品44 第1楽章
12. 交響曲第3番ハ短調 作品44 第2楽章
13. 交響曲第3番ハ短調 作品44 第3楽章
14. 交響曲第3番ハ短調 作品44 第4楽章

Disc3:
15. 交響曲第4番ハ長調 作品47(1930年オリジナル版) 第1楽章
16. 交響曲第4番ハ長調 作品47(1930年オリジナル版) 第2楽章
17. 交響曲第4番ハ長調 作品47(1930年オリジナル版) 第3楽章
18. 交響曲第4番ハ長調 作品47(1930年オリジナル版) 第4楽章
19. 交響曲第5番変ロ長調 作品100 第1楽章
20. 交響曲第5番変ロ長調 作品100 第2楽章
21. 交響曲第5番変ロ長調 作品100 第3楽章
22. 交響曲第5番変ロ長調 作品100 第4楽章

Disc4:
23. 交響曲第6番変ホ短調 作品111 第1楽章
24. 交響曲第6番変ホ短調 作品111 第2楽章
25. 交響曲第6番変ホ短調 作品111 第3楽章
26. 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131 第1楽章
27. 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131 第2楽章
28. 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131 第3楽章
29. 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131 第4楽章
30. 交響曲第7番 第4楽章(終結部改訂版)