yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

カラヤンの『ストラヴィンスキー管弦楽集』。珍品もののカラヤンの「春の祭典」。

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Suzanne Farrell, Peter Martins - Balanchine's "Apollo"

         

3年以上も前にすでに≪http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/60371890.html ストラヴィンスキー『ミューズの神を司るアポロ APOLLON MUSAGETE』(1947年版)。まさしく≪抑制の効いた厳粛さ≫の支配する格調と品格あるバレエ音楽だ。≫とタイトルして投稿していたのだった。

今回はネット図書館でカラヤンストラヴィンスキー演奏集、それも『バレエ 春の祭典』が入っているCD2枚組みを検索リストで目にしたので借りた。で、そのなかで先の『ミューズの神を司るアポロ APOLLON MUSAGETE』(1947年版)がもっとも印象的だったので投稿する目論見だったのだけれど、上記のようにすでに投稿していたのだった。

ストラヴィンスキーいわく。この曲は「いっさいの色彩的効果と粉飾を排して、簡明な清新さをねらった」(同梱解説より)と自伝で述べているのだそうだ。そしてまたこの曲を「白い音楽」とよんだとのこと。たしかに、あの野生的な生命力あふれた躍動する音楽がここにはまったくない。しかし作曲家の意図した「抑制された」「簡明な清新さ」で聴くものの心を洗う。これはこれでひじょうな魅力だ。ゆるやかに時が澄んでながれてゆく・・・。甘美にして、白く永遠の相をもって。

イメージ 2さいごに、カラヤンの「春の祭典」。なんとなんと驚きの「春の祭典」パフォーマンスもの。ベルリンフィルが嫌々演奏しているのか指揮者カラヤンの解釈なのかどうか、リズム感覚の不足した、なんともメリハリのない野趣に欠けた、革新の鼓動からほど遠いふやけた古典音楽に堕してしまっている。いやはや・・・。
カラヤンの整った顔立ちでパフォーマンスされた「春の祭典」と言っておこうか。譜面台にでもストラヴィンスキーの写真を置いていたら、かのような革新の鼓動からほど遠い野趣に欠けたふやけた「春の祭典」にはならなかったのでは・・・といいたくなるほど。そういう意味では巨匠の、覆い隠したくなる珍品といっていいのかも。








ディスク:1
1. バレエ「春の祭典」(1947年版)
2. 交響曲ハ調
3. サーカス・ポルカ

ディスク:2
1. バレエ音楽「アポロ」(1947年版)
2. 弦楽オーケストラのための協奏曲ニ調
3. 詩篇交響曲(1930/1948年改訂版)