yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番』。イツァック・パールマンの、よく歌い泣くヴァイオリンで、それが何かできすぎている・・・う~んブラームス?。

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Brahms - Violin Sonata No 1 in G Mag op. 78

               

はや6年も前のこと。以下、ブラームスの『ヴァイオリンソナタ』を投稿していたのだった。


http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/47385694.html <しみじみ>が滲みてくる老いの影。ブラームスの『ヴァイオリンソナタ』3曲


【 さて、団塊シルバーのこの私も、しっとりとしたブラームスの世界がしみいる年嵩となってきたようである。最近ますます室内楽が好みとなってきている。この3つのヴァイオリンソナタなど聞くと、ピアノとの対話的流麗さと親しみのあるフレーズに満ちた室内楽的芳醇の充溢する世界が分かりかけてきたようだ。

解説書にある≪暗く内向的な情熱や渋くくすんだ色彩・・円熟した書法が十二分に駆使されたその旨味のある表現・・憂鬱で悩ましげな暗い情感≫(内田龍一)。このような評言を聞くと、凡百には、「三大B」の一角とはいえ、その音楽世界になかなか簡単には入っていけないのも無理はないのかもと思ったりする。年の功という時熟が必要なようだ。<しみじみ>が滲みてくる老いの影。

それにしても、このピアノとヴァイオリンの渋い円熟の対話の音楽世界は、時代がそうさせているのか、人がそうさせているのか、伝統がそうさせているのか、言いようもなく魅惑的である。】

斯く印象を綴ったのだった。

今回は、ネット図書館でヴァイオリンがイツァック・パールマン、ピアノがアシュケナージのデュオのアルバムを借りた。よくできているというか、よく歌い泣くヴァイオリンで、それが何かできすぎているといった感じがするのだった。現代的な感覚の美しすぎる「歌」。暗く内向的な情感、渋くくすんだ色彩・・・などと、こちらの勝手なつくり上げた円熟、晩年のブラームスのイメージとはちょいと趣が違う印象をもったのだった。

あまりに美しく仕上げてしまうのは、なんだかブラームスにそぐわない・・・と思わないでもない。そういう意味では、先のオーギュスタン・デュメイのヴァイオリンとピリスのピアノのデュオのほうが我が意に沿う、好ましいブラームスと言えるだろうか。

ま、私の好みでしかないのだけれど。




Brahms: Violin Sonata nº1 (Adagio):Augustin Dumay, Maria-João Pires

デンマークの画家・ヴィルヘルム・ハンマースホイ


ブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番』

1. ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調op.78「雨の歌」
2. ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調op.100
3. ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調op.108