yuki-midorinomoriの日記

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ルトスワフスキ『自作自演集』。真正の革新。緻密で最良質のホンモノ。

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Lutoslawski - Concerto for Orchestra - I - Intrada: Allegro

              

現代音楽をウットウシク、メンドウだと聴く耳持たぬ音楽スキの人たちは、ストラヴィンスキーや、バルイメージ 2トーク、いやこんにちではショスタコーヴィチまでは許せる、聴けるが・・・という音楽空きの人たちに、ぜひとものお勧めのポーランドの作曲家ヴィトルト・ルトスワフスキ(Witold Lutosławski, 1913 - 1994)。

現代音楽の最良質を示した音楽史的作曲家なのに、WIKI項目での、日本語ヴァージョンと英語(ようするに国際的評価)のはなはだしい落差!(じっさいに両WIKI項目を見比べてください)。たぶんこれが日本のクラシックファンの現状なのでしょうか。我が国の世界に誇る武満徹評価もこれと相同なのでしょう。

1954年作曲なる「管弦楽のための協奏曲」。おなじ曲名をもつバルトーク晩年の代表作のそれと聴き比べるのもオモシロイ。どちらを好みとされるだろうか。

古典的保守から、次第に様式は、音を制度・秩序から解き放つ不確定性の導入による、生きた音色の斬新の提示、その革新的試みへと時代を突き進んだ。それは戦後の時代の流れ(政治、動乱にほんろうされたポーランド)を示すかのごとくだ。しかもそれらの音楽表現の流れは緻密で良質のホンモノであったと言えよう。



Lutoslawski: "Livre pour Orchestre" 1/2


Lutoslawski - mi-parti (for orchestra)



ルトスワフスキ関連、既投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57277066.html ヴィトルド・ルトスワフスキ晩年の『ピアノ協奏曲ほか』。洗練と高み!この揺るぎなさ!。音色の豊麗緻密。重層するオーケストレーションの厚み。凡百と聞き比べれば、その瞭然の質的差異にナットクすることだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56210806.html ヴィトルト・ルトスワフスキの初期作品集。ポーランドで最初期の12音列技法で作曲されたとされている「FUNERAL MUSIC for STRING ORCHESTRA」はやはりいい。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/49380846.html ヴィトルト・ルトスワフスキの20年を隔てての2つの交響曲。『交響曲第1番』(1941-47)と『交響曲第2番』(1967)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/41249751.html 受難に悲劇した歴史感性の積層を革新の真正な響きとするヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-94)『アンリ・ミショーの3つの詩』ほか。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/36031275.html 晩熟の真性な響きヴィトルド・ルトスラフスキー

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/47152252.html ジャケットデザインにふさわしい落ち着きと風格、品格さえもつ現代のチェロ協奏曲。ディティーユとルトスラフスキーの2作品をロストロポーヴィチで聴く。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56756029.html パヌフニク、ルトスワフスキ、シマンスキ、『ポーランド3大作曲家 ピアノ協奏曲集』(1999)。陰影、彫琢、精神には根が生えている。だからこそ!ポーランド!?。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61584855.htmlイザベル・ファウスト、スラヴ作品集』(2002)。ヤナーチェクシマノフスキルトスワフスキ。その深く濃密な音楽精神に魅了される。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/45984855.html 技術と精神の類稀な現代の昇華結晶ルトスラフスキーの『オーケストラのためのリーヴル』(1969)ほか。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/41249751.html 受難に悲劇した歴史感性の積層を革新の真正な響きとするヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-94)『アンリ・ミショーの3つの詩』ほか。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/23242393.html 折り目正しく真正なルトスラフスキーの現代音楽

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/15917320.html あなたに<素>の世界へ誘う革命家ジョン・ケージ(ルトスラフスキーの弦楽四重奏曲




ルトスワフスキ『自作自演集』

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1. 交響的変奏曲 symphonic variation (1938)
2. 交響曲 第1番 第1楽章:アレグロ・ジュスト symphony no.1 (1947)
3. 交響曲 第1番 第2楽章:ポコ・アダージョ
4. 交響曲 第1番 第3楽章:アレグロ・ミステリオーソ
5. 交響曲 第1番 第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
6. 葬送音楽 musique funebre (1958)
7. 交響曲 第2番 第1楽章:ヘジタント symphony no.2 (1967)
8. 交響曲 第2番 第2楽章:ダイレクト

ディスク:2
1. 管弦楽のための協奏曲 concerto for orchestra (1954) 第1楽章:イントラーダ(アレグロ・マエストーソ)
2. 管弦楽のための協奏曲 第2楽章:カプリッチョ、ノットゥルナ・エ・アリオーソ(ヴィヴァーチェ)
3. 管弦楽のための協奏曲 第3楽章:パッサカリアトッカータ・エ・コラール(アンダンテ・コン・モート~アレグロ・ジュスト)
4. ヴェネツィアの遊戯 juex venetiens (1961)
5. オーケストラのための遊戯 livre pour orchestra (1968)
6. ミ・パルティ mi-parti (1976)