yuki-midorinomoriの日記

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R.シュトラウス『家庭交響曲&パレルゴン』。『パレルゴン(家庭交響曲余禄)op.73~左手のピアノと管弦楽のための』は<余禄>どころかすばらしいピアノ協奏曲。

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Strauss - Parergon zur Sinfonia Domestica - Rösel, Kempe

       

だいぶ前に、以下投稿しているのだけれど・・・。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/62659149.html R.シュトラウス家庭交響曲, 他』。オケのフィラデルフィア管弦楽団なのか、揮るサヴァリッシュゆえなのか、いやいやリヒャルト・シュトラウスだからなのか。すばらしく豊麗な響き。


そこで以下綴ったのだった。

【何ですか、この表題。たぶん誰しもが思うことではないだろうか。日常の家庭がロマンであるわけはない。もっとも大事なこととはいえ。この曲は≪シュトラウス自身の家庭の様子を曲にしたとも言われている。≫のだそうだ。ま、そうした標題性はともかくとして、いつも言っていることなのだけれど、シュトラウスオーケストレーションの天才性は、凄いのことば以上の表現をもたない。≪ドイツ的な格調に加え、華麗さ、絢爛さが同居する世界≫との通販サイトのアルバムレヴューにあったが、まさにそのとおり。まったく、何でこんなすごいスケールで「華麗、絢爛」な響きがでてくるの?といいたくなる。・・・】

蒸し返すようですが、以下、WIKIの記事を引用貼り付けておこう。

【この曲はシュトラウス自身の家庭の様子を曲にしたとも言われている。曲は切れ目無く演奏されるが、4部に分けることができる。

第1部では最初に、家庭の主人の主題が提示される。発想記号にgemächlich(ゆっくりして、あるいは、のんびりとして)やträumerisch(夢見るように)などが使われ、この人物の性格を描写する。その後、妻の主題がsehr lebhaft(きわめて活発に)という発想記号で提示される。次いで、子供、そして叔母と叔父が登場する。切れ目なく第2部に移る。

第2部は子供が遊び、そして母親の子守歌に包まれて眠る様子である。切れ目なく第3部に移る。

そして第3部では子供が寝る中、仕事をする夫、愛の交歓、妻の気づかいの様子が描写される。ここまでは音楽が途切れることなく続くが、次の第4部との間ははっきりと区切られている。

子供が起きると第4部に入るが、フガートの作曲技法により、両親は子供の教育方針を巡って喧嘩を始める。子供が泣くほどに激しいものとなるが、やがて落ち着き、2人は歌を歌う。しかしまた高潮してクライマックスに至る。大管弦楽の効果が最大限に発揮される場面である。賑やかな家庭生活が描かれて幕を閉じる。】(WIKI)


なんだそうで・・・。ウ~ン。

このような表現内容なのだと、誰がこの曲想を了解できるのだろうか。あえて斯く前もって言われなければ、いかようにでも印象する、いや、できるのが音楽の本来もつ抽象性なのでしょう。だからこそ普遍的ともいえる。背景とされる物語を示されると、音楽の純粋性、音楽そのものが損なわれる・・・。と、思えるのだけれど。

過剰な意味性が音楽を汚す。


つい先ほどの世間お騒がせの『交響曲第1番 HIROSHIMA』問題(動画サイトを覗くと、日本コロンビアの著作権侵害の申し立てありとのこと。???。音楽関係のプロとして斯くなるお粗末に、どの面下げて著作権主張・・・とおもうのだけれど。)などはこのようなことを示していると言えなくもない。

過剰な音楽外的意味づけで音楽を聴く・・・。


けれど、R.シュトラウス家庭交響曲』は、そのような意味づけなしに、純粋に音響詩としてそのオーケストレーションの天才性を聴くことのできる、すばらしい作品といえるのでしょう。音楽音響造形の創作背景としてだけ受け取るだけでいいのでしょう。


ところで、『家庭交響曲』もいいのだけれど、『パレルゴン(家庭交響曲余禄)op.73~左手のピアノと管弦楽のための』が<余禄>どころかすばらしいピアノ協奏曲なのだ。

左手のためのピアノ協奏曲≫。第一次世界大戦右腕を失ったピアニストのための作品。ラヴェルのそれは聴く機会を比較的多くもつのだけれど、それに劣らずR.シュトラウスの『パレルゴン(家庭交響曲余禄)op.73~左手のピアノと管弦楽のための』もすばらしいピアノ協奏曲だ。<左手のための>ピアノ協奏曲という限定があるのだけれど。いやそれだからこそのシンプルさゆえの美しさなのかもしれない。

ネット図書館で借りた今日のアルバムのメインはむしろこちらと言える。



Strauss - Sinfonia Domestica, Op 53 – Kempe








1. 家庭交響曲op.53
2. パレルゴン(家庭交響曲余禄)op.73~左手のピアノと管弦楽のための