yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

平吉毅州](ひらよし たけくに、1936 - 1998)『交響変奏曲』(1969)の、しなやかな感性その練成、および野田暉行「コラール交響曲」(1968)の魅せる音響造形。

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イメージ 2これだけの作品を残しながら、以後さほど耳目あつめることなかったようなのが不思議である。もっとも私の現代音楽の動向などへの目配せの欠如等がそうした事の印象をもたらしているのかもしれないが。その作曲家とは平吉毅州(ひらよし たけくに、1936 - 1998)。すでに物故されている。≪東京藝術大学作曲科で長谷川良夫に師事。同大卒業の翌年「管弦楽のためのコンポジション」で第31回日本音楽コンクール第1位入賞。同大大学院修了後、「交響変奏曲」で尾高賞受賞。堅実な語法と骨太な発想によるスケールの大きい展開が個性的な作風を形成している。≫(Musica Bellaより)この記事にあるように、今日取り上げたアルバム収録曲『交響変奏曲』(1969)は尾高賞受賞作品だ。ひじょうに練られた厚みのある生き生きとしたオーケストレーションで見事に堪能させてくれるのだ。しなやかさと言ったらいいのだろうか。これは聴きものだ。カップリングされている野田暉行作品の「コラール交響曲」(1968)よりも、しなやか感性その練成において優れているのではないかとの印象をもった。もちろんこの野田暉行作品も聴き応えのあるスケール感たっぷりの音響造形で魅せてくれるいい作品なのだけれど。


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加山又造「赫」(1967)