yuki-midorinomoriの日記

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ロベルト・ヴィッティンガー『Irreversibilitazione Op.10』(1968)。ひじょうにバランスよく当時の先端の技法を駆使し、繊細かつ多彩な音色への志向をもって纏まり良く完成度が高い

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Robert Wittinger『Irreversibilitazione for Cello and Orchestra op.10』(1/2)

           

イメージ 2これはいいものに再会しましたといったところか。ロベルト・ヴィッティンガー Robert Wittingerなる作曲家。ネット検索してみても、WIKIにも項目なくきわめて情報の少ない作曲家だ。どういうことなのだろう。≪Robert Wittinger was born at Knittelfeld in Austria in 1945, but grew up in Budapest.≫オーストリアを出自としハンガリーで生育としかわからない。ところがだ、針を落としてすぐさま印象よくしたのだった。これはいい!と。このドイツ・ヴェルゴレーベルの輸入盤を手にしたのは30数年前と随分と前なのに、初めて出会ったような新鮮な好印象だった。ひじょうにバランスよく当時の先端の技法を駆使し、繊細かつ多彩な音色への志向を持ち、まとまりよく完成度が高いのだった。感性と理知のみごとなバランス。これは生半なセンス、才能ではない。音への認識は際立つ。このすぐれた資質の持ち主の情報が少ないというのは不思議な気がする。A面1曲目の『IRREVERSIBILITAZIONE for Cello & Orchestra Op.10』(1968)なんか、もうはなから痺れる音色感で耳そばだたさせる。みごとだ。いいアルバムに再会しました。聴き直して得しましたというものの、今のいままで何を聴いていたのだろう。そうした思いのさせる良いアルバムだった。




収録曲目――

『IRREVERSIBILITAZIONE for Cello & Orchestra Op.10』(1968)
『OM Op.12』(1968)
『Tendenze Op.14』(1970)
『Strutture simmetriche Op.17』(1969)