『伝統音楽のすすめ~名人演奏と共に~ 声明・能楽・箏曲・地歌』(CD2枚組)。まずは地歌。歌といい舞といい悠長と言えば悠長ではございますが・・・。間あいのかもす表情のゆたかなこと。
地歌 雪
花も雪も、払えば清き袂かな、ほんに昔の、むかしの事よ、我
が待つ人も我を待ちけん、(合)鴛鴦(おし)の雄鳥(おとり)に物思い羽(ば)の、凍る
衾(ふすま)に鳴く音(ね)もさぞな、さなきだに、心も遠き夜半(よわ)の鐘。〔合いの手〕
が待つ人も我を待ちけん、(合)鴛鴦(おし)の雄鳥(おとり)に物思い羽(ば)の、凍る
衾(ふすま)に鳴く音(ね)もさぞな、さなきだに、心も遠き夜半(よわ)の鐘。〔合いの手〕
聞くも淋しき独り寝の、枕に響く霰(あられ)の音(おと)も、もしやといっそ
せきかねて、(合)落つる涙の氷柱(つらら)より、(合)辛き命は惜しか
らねども、恋しき人は罪深く、思わぬ(合)事の悲しさに、
捨てた憂き、(合)捨てた浮き世の山かづら。
せきかねて、(合)落つる涙の氷柱(つらら)より、(合)辛き命は惜しか
らねども、恋しき人は罪深く、思わぬ(合)事の悲しさに、
捨てた憂き、(合)捨てた浮き世の山かづら。
【 地歌。流石庵羽積作詞、峰崎勾当作曲。寛政元年(1789年)ご
ろ成立。大坂南地の芸妓ソセキが、来ぬ人を待って夜を明かすことも
あった自らの過去を回想しつつ、仏門に入った現在の心境を述べたも
の。名前が読みこまれているという。合の手は本来鐘の音なのだが、
邦楽各流では雪を象徴する音として使われている。】(以上、同梱解説より)
ろ成立。大坂南地の芸妓ソセキが、来ぬ人を待って夜を明かすことも
あった自らの過去を回想しつつ、仏門に入った現在の心境を述べたも
の。名前が読みこまれているという。合の手は本来鐘の音なのだが、
邦楽各流では雪を象徴する音として使われている。】(以上、同梱解説より)
こんにちの時間感覚からは、テンポが、歌といい舞といい悠長と言えば悠長ではございますが、三味線のなんとシンプルな音。にもかかわらずその音と音の間あいのかもす表情のゆたかなこと。艶で粋で情緒纏綿、味がアリマスデス。
花も雪も 払へば清き袂かな
ほんに昔のむかしのことよ
わが待つ人も我を待ちけん
鴛鴦の雄鳥にもの思ひ
羽の凍る衾に鳴く音もさぞな
さなきだに心も遠き夜半の鐘
聞くも淋しきひとり寝の
枕に響く霰の音も
もしやといつそせきかねて
落つる涙のつららより
つらき命は惜しからねども
恋しき人は罪深く
思はぬことのかなしさに
捨てた憂き 捨てた憂き世の山葛
ほんに昔のむかしのことよ
わが待つ人も我を待ちけん
鴛鴦の雄鳥にもの思ひ
羽の凍る衾に鳴く音もさぞな
さなきだに心も遠き夜半の鐘
聞くも淋しきひとり寝の
枕に響く霰の音も
もしやといつそせきかねて
落つる涙のつららより
つらき命は惜しからねども
恋しき人は罪深く
思はぬことのかなしさに
捨てた憂き 捨てた憂き世の山葛
投稿済み「伝統音楽のすすめ~名人演奏と共に」シリーズ――
1. 涅槃講式(表白・初段)(声明|抜粋)
[演奏]青木融光
[演奏]青木融光
2. 横笛(平家琵琶)
[演奏](語り)井野川幸次
3. 熊野(村雨留)(能楽)
[演奏]観世元昭
[演奏](独吟)観世清和
[演奏](語り)井野川幸次
3. 熊野(村雨留)(能楽)
[演奏]観世元昭
(笛)藤田大五郎
(小鼓)北村一郎
(シテ)観世元正(観世左近)
(ワキ)宝生弥一
(地謡)岡久雄
(地謡)浅見重弘
(地謡)浅見重信
(地謡)藤波重満
(地謡)藤波重和
(地謡)木原康次
(地謡)木原康夫
(ワキツレ)森茂好
(大皷)安福春雄
4. 高砂(能・謡) (小鼓)北村一郎
(シテ)観世元正(観世左近)
(ワキ)宝生弥一
(地謡)岡久雄
(地謡)浅見重弘
(地謡)浅見重信
(地謡)藤波重満
(地謡)藤波重和
(地謡)木原康次
(地謡)木原康夫
(ワキツレ)森茂好
(大皷)安福春雄
[演奏](独吟)観世清和