バッハ『平均律クラヴィーア曲集第２巻』。過剰から遠く穏やかに中庸を徳する女性ピアニスト、タチアナ・ニコラーエワのバッハ。

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Bach, J.S., WTC Book 2 No.14 In F Sharp Minor.mp4：Tatiana Nikolayeva

３日前、≪http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/63841268.html バッハ『平均律クラヴィーア曲集第1巻』。俄然グールドを聴きたくなった。≫と投稿した、その続編。と言っても紡ぐ言葉のひとつとてないのだけれど。タチアナ・ニコラーエワ（Tatiana Petrovna Nikolayeva, 1924 - 1993）の『平均律クラヴィーア曲集第２巻』。

奇を衒うような派手さのないバッハ。堅実といえば、そうなのだけれど。対して「音楽なるもの」？を突き抜けたようなグールドの演奏。

以下は拙ブログの、そのグールドの音源投稿でのことば。

【　この≪グレン・グールド演奏による同曲の録音が、人類を代表する文化的作品として、ボイジャーのゴールデンレコードに収録され宇宙に打ち上げられた。≫（ＷＩＫＩ）のだそうだ。数万年の宇宙への旅。全っき静寂と漆黒に佇む数万年後の宇宙に奏でられる２４のフーガ。そこに人間はいない。】

既稿からの引用に終始して（繰言めいて）難儀なことなのだけれど、以下は演奏者タチアナ・ニコラーエワのグールド讃。

「J・Ｓ・バッハの≪フーガの技法≫。そのフーガの一拍めを聴いた瞬間、私たちはたいへんな音楽家を目の当たりにしてるのだと私は気づいた。深い思想と強い構想力、ポリフォニーとピアノの多彩な音色の全てを意のままにあやつる才能は、彼のみに備わるものである。演奏する作品の本質をあますところなく開示すること、それがこのピアニストの取り組む創造的課題であり、それが演奏にも感じられるのだ。」（タチアナ・ニコラーエワ）

超越するグールドと過剰から遠く穏やかに中庸を徳する女性ピアニスト、タチアナ・ニコラーエワ。

「・・・始まりをも終わりをも考えない音楽、いかなるクライマックスもいかなる解決をも持たない音楽、ボードレールの恋人たちのごとく「そよ風の翼の上に軽やかに憩う」音楽――グレン・グールド

バッハ『平均律クラヴィーア曲集第２巻』

ディスク：2
1. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第14番嬰へ短調 BWV.883
2. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第15番ト長調 BWV.884
3. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第16番ト短調 BWV.885
4. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第17番変イ長調 BWV.886
5. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第18番嬰ト短調 BWV.887
6. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第19番イ長調 BWV.888
7. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第20番イ短調 BWV.889
8. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第21番変ロ長調 BWV.890
9. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第22番変ロ短調 BWV.891
10. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第23番ロ長調 BWV.892
11. 平均律グラヴィーア曲集第2巻前奏曲とフーガ第24番ロ短調 BWV.893

Bach, J.S., Well Tempered Clavier, Book 2 Prelude & Fugue 14, F Sharp Minor, BWV 883.mp4：Andras Schiff